健康的な生活とコミュニティの充実
健康寿命に繋がる可能性も

前回、野出先生は循環器病において多職種、地域、さらには全てのステークホルダーが連携したモデルを佐賀県から発信したいと言われました。モデルケースとして考えられている具体的な地域はありますか。

野出 日本の平均的な地域というのは地方です。佐賀県で言えば、有田や伊万里、嬉野がそれにあたり、遠隔医療ももう少し小さい地域で取り組みたいところですが、そこでは社会資本の影響を強く受けます。

第2回で野出先生から伺ったソーシャル・キャピタルですね。

野出 はい。例えば、嬉野は九州でも有数の温泉街であり、女性の寿命はベスト10に入っていて、佐賀市とはまた異なるコミュニティを形成しています。室町時代から生産が始まったとされるお茶を飲んで温泉豆腐を食ベるなど、健康的な生活がベースにあり、さらに郷土愛が強いことが寿命にも関係しているのかもしれません。この嬉野がモデルケースになり得るのではないかと考えています。また、佐賀の北西に位置する観光地、唐津も地元愛が強く、コミュニティの持つ力が強いですね。

これも第2回で野出先生から伺った「人やコミュニティの絆が長寿に影響する」というお話に繋がります。遠隔医療を通じて、そのあたりも明らかになっていくことが期待されますね。

野出 はい。私が佐賀に赴任して16年が経ち、退任まで9年弱あります。これだけの時間があれば、遠隔医療と共に地域医療や連携のあり方についても、長いスパンで見ていくことができると考えています。