心不全啓発キャンペーン サポート企業インタビュー2

2018.03.30
放置された女性の高血圧
心不全の発症リスクに 第1回

病気ではなく、人を診る
医療者と患者、家族の架け橋に

啓発という意味で、御社では独自の取り組みをされていますね。

飛田 医療関係者と患者さん、その家族の架け橋でありたいという意味を込め、BRIDGE(Bright Days Together)というコンセプトの下、活動を行なっています。弊社では、多領域に、多くの製品を提供しています。特に高齢者の場合、高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、不整脈、認知症、骨粗鬆症等、一つひとつの発症疾患や製品だけを見てしまうと、患者さん自身が見えなくなります。

そこを治療にあたっている医師の立場で見るよう意識して、「この人は次に骨粗鬆症になったら、転倒して骨折する」「骨折したら寝たきりになる」「寝たきりになったら認知機能が急に衰える」といったことや合併症などについて、仮説を立てながら情報提供をしていくことが、このBRIDGEの考え方の源です。

活動の内容について、もう少し具体的に教えてください。

飛田 例えば、心房細動がある人は認知症になるリスクが高いとされています。従来の考え方であれば、心房細動と認知症の薬のパンフレットを別々に作ります。そこをBRIDGEでは、心房細動と認知症の情報を先生と共有し、心房細動の患者さんの認知症予防をどうするのか。逆に、認知症の方々は脈を測る機会が比較的少ないため、誰が検脈をするのか。こうした啓発活動をお手伝いしていきます。

何をきっかけにBRIDGEを始めようと思われたのですか。

飛田 脳と心臓と腎臓など臓器は血管で繋がっています。その中で脳・心・腎という臓器に関わる疾患(脳梗塞、不整脈、高血圧、心不全、虚血性心疾患、糖尿病など)に対し、前述したように、弊社は多数の薬剤を持っています。これは大きな強みであり、その強みをどう活かすかを考えたとき、循環器系の疾患領域に包括的な製品や情報を提供していく、シームレスリスクコントロール(Seamless Risk Control)という概念を社内で共有したのがきっかけです。

例えば、心房細動と認知症の領域の医療者が連携できるよう、医療界のオピニオンリーダーを立てて討議をしたり、勉強会を行うなどの活動は予定されていますか。

飛田 すでに取り組んでいます。国として、かかりつけ医の育成を推進する中で、私たち製薬企業も、先生方に対する情報提供が重要です。例えば、糖尿病で10年間同じ患者さんを診て信頼関係を築いてきたのに、心房細動を見落としてしまったら、そこで患者さんとの信頼関係は崩れてしまいます。

そうならないために、糖尿病を長年診ている先生方に「心房細動を早く発見してあげましょう」とお伝えした上で、心房細動があると脳血管疾患、認知症のリスクが高まることを確認し、かかりつけ医の先生と専門医の連携にお役に立つ情報提供活動も展開しています。

医薬業界向けの情報サイトが行った医師調査で、優れたMRが所属する企業として、5年連続で御社が選ばれています。中でも、循環器、心療内科を含む精神科、整形外科の医師からは圧倒的な支持を得たそうです。各領域に主力製品を持つだけでなく、優れた情報提供活動が評価されたといえますね。

飛田 はい。弊社MRは先生方から「自分にとって有益な情報をもらえる」と高く評価していただいているようです。

1つの血管で繋がる
脳・心・腎の重要性

この脳・心・腎が重要であることは、以前から提唱されてきたのでしょうか。

飛田 経営統合する以前の第一製薬も三共も、循環器の薬を多数持っていたため、そこは互いに認識していました。三共でいえば、最初に承認されたACE阻害薬カプトリル、メバロチン、第一製薬でいえばパナルジン(※1)、アーチストという心不全の薬などを通して、心臓と脳を守ろうと提唱しました。

※1 ADP阻害薬
血液を固める成分の働きを抑え、血栓を防ぐ薬。

先生方も腎機能が悪くなってきたら、心機能も悪くなっていくとわかるし、脳・心・腎が重要であり、関連性が深いことを十分にご存知です。こうした関連性を意識した情報提供が求められることはいうまでもありません。

第1回終わり(第2回に続く)