心不全啓発キャンペーン サポート企業インタビュー2

2018.04.06
腎機能悪化が心不全の危険因子に
定期的な採血と検尿で重症化を予防 第2回

市民公開講座や心不全手帳で
一般への心不全啓発を促進

御社では、一般に対する啓発活動も積極的に行っていると伺っています。

飛田 2009年頃から日本循環器病学会とタイアップし、一般を対象とした市民公開講座を開催しています。今年は、3月4日(日)に大阪市中央公会堂において、「楽しく学んで健康長寿!~よくわかる脳と心臓のお話」と題した市民公開講座を実施しました。
第82回 日本循環器学会学術集会 市民公開講座
楽しく学んで健康長寿!~よくわかる脳と心臓のお話~

他には、患者さんに対する教育を兼ねたツールも作成しています。これは日本心不全学会が監修、弊社が協賛して作成した心不全手帳で、弊社から医療機関に提供しています。先生方が疾患の説明をする際に患者さんに手渡し、この手帳で心不全の正しい知識を身につけてもらい、しっかりと生活を管理してもらうことを目的としています。
心不全手帳(日本心不全学会)

心不全手帳は、心不全の治療ガイドと患者自身が記録するノートが2冊セットになっていて、非常によくできていますね。

飛田 心不全が悪化するきっかけは意外と日常的なことが原因になります。風邪、ストレス、それから結構多いのは冠婚葬祭です。例えば、お孫さんの結婚式に出て嬉しくて飲み過ぎ、夜になって急に心不全が悪化する。冠婚葬祭で交感神経が高くなったところに飲み過ぎが重なり、夜間に息切れを起こすのです。だからこそ、毎日自分の血圧や体重を計り、息切れやむくみ、疲れやすさなどがないかどうか、自ら体調を管理することが大切になってきます。

デバイスと治療手法の向上により
待機リストから外れる心臓移植待機患者

次に、心不全の治療について伺います。循環器領域の治療において、日本と海外で違いはありますか。

飛田 患者さんのライフスタイルと国土のアドバンテージから、日本では患者さんがかかりつけ医に月1回程度行くことは当たり前になっています。一方、米国では半年間薬を出してそれっきりというのはよくあることです。心不全は状態が瞬時に変わる病気なので、こまめなケアやキュアは欠かせず、日本では手厚い治療ができていると思います。

心不全の外科治療、中でも重症心不全患者が対象となる心臓移植はなかなか進みません。米国では、重症心不全患者の半数以上にあたる年間約3500人が心臓移植や人工心臓を行っているのに対し、日本でこうした治療を受けられるのは全体の10%、約200人ほどです。これについて、どのようにお考えでしょうか。

飛田 心臓から腎臓や膵臓、角膜、皮膚、骨髄も含め、臓器移植の臓器をどう捉えるかが1つの課題です。加えて、米国に渡って米国人の心臓を移植することに対して、厳しい世論もあります。そこをどう考えるかですね。

ただ、日本に多数の心臓移植待機患者がいる中で、デバイスや人工心臓の機能は格段に良くなり、そうした治療を受けることで、患者さんは待機リストから外れるまでのレベルに至っているとの報告もあるようです。心不全、重症心不全に対して早期診断、早期治療ができれば、状況は変わっていくと思います。今後ますます医療は個別化していくでしょうし、循環器領域においても、その可能性は出てくると考えています。

第2回終わり(第3回に続く)