ファミリーカンパニーの強みを活かし、
歴史と伝統ある医療セミナーを開催

御社は設立当初から循環器病領域に多くの薬を提供していらっしゃいますね。

中村 ベーリンガーインゲルハイムは、1885年にドイツで創業し、その後、グローバル企業へと成長を遂げています。日本ベーリンガーインゲルハイムは1961年に設立され、心血管・代謝、腫瘍、中枢神経、免疫系と呼吸器、腫瘍領域で、信頼性の高いエビデンスを有した医療用医薬品を販売しています。

心血管・代謝領域では、高血圧治療薬、抗凝固薬、糖尿病治療薬が多くの患者さんの治療に役立っています。

ベーリンガーインゲルハイムの将来に向けた研究開発投資額は売上の17%に上ります。患者さんの治療ニーズにフォーカスした革新的な医薬品をいち早く届けられるよう、画期的な医薬品候補の臨床試験が日本を含め、世界各国で進められています。

製品の提供以外に、御社では学会等と連携して医療従事者の知識を高める活動を支援されていると伺いました。

中村 大きく3つの会を主催しています。1つは、日本循環器病学会学術集会の公式プログラムに入れていただいている冠循環談話会です。これは基礎医学や臨床医学の先生方が一堂に会し、冠循環や心筋代謝領域における知見や新しい研究をテーマに、自由に討論することを目的として発足させたものです。

2つ目は、30年以上継続している河口湖心臓討論会です。この会は代表世話人をお願いした先生がテーマとそれに相応しい演者を海外から1人、国内で5人ほど招聘し、総勢25人~30人で各演題につき講演とディスカッションをあわせて1時間以上実施する会合です。

そして3つ目は、1979年以来、毎夏開催している犬山不整脈セミナーです。

河口湖心臓討論会も犬山不整脈セミナーも伝統と歴史のある会ですね。この河口湖心臓討論会は毎年、河口湖で開催されているのですか。

中村 以前は河口湖で開催されていたため、その名称がついていますが、最近では代表世話人になっていただいた先生の地元で開催することが多くなっています。

この討論会は、1つのテーマに絞って講演と徹底的な討論が行われるので、非常に盛り上がります。また、代表世話人の先生のご推薦により参加いただくため、演者に任命されることを光栄に思ってくださる先生も多いようです。

脳卒中・循環器病対策基本法の早期成立で
正しく前向きな予防と治療を実現

日本人の死因の第1位はがんですが、第2位の心疾患と第4位の脳血管疾患を合わせた死亡数はがんに匹敵し、後期高齢者に限るとがんを上回っています。そこで、日本脳卒中学会と日本循環器学会は2016年12月、「脳卒中と循環器病克服5カ年計画 ストップCVD(脳心血管病) 健康長寿を達成するために」を作成しました。脳卒中と循環器病は重大疾患の1つですが、同じ重大疾患のがんにおいてはがん対策基本法が制定されたことで、医療体制の連携や活動の促進が図られました。脳卒中と循環器病における法整備について、どのようにお考えでしょうか。

中村 心不全や心筋梗塞などの心臓病は、1度患うと患者さんのQOLや予後を悪化させます。また、脳卒中は発症後、治療によって一命を取りとめたとしても、麻痺が残ったり、その後のQOLが著しく低下するなど、心臓だけでなく脳のケアも重要だと一般に認識してもらうことは非常に大切なことです。

がんと同じように、脳卒中・循環器病対策基本法を少しでも早く成立させ、予防や治療が正しく前向きにできることを期待しています。

先ほど、医療従事者の知識や経験を高めるセミナーへのサポートを積極的にされていると伺いましたが、一般の方に対しての啓発活動についてはいかがでしょうか。

中村 一般の方に対しての啓発活動は、これまでほとんどできていなかったと思います。今後は、 糖尿病領域、特に糖尿病血管合併症に対する啓発については、積極的に取り組みたいと考えています。

第1回終わり(第2回に続く)