■トーク・セッション
座長:斎藤能彦氏 奈良県立医科大学第一内科学教室教授
パネリスト:野出孝一氏 佐賀大学医学部内科学講座主任教授
      筒井裕之氏 九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授
      澤 芳樹氏 大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科教授

○質問1
高齢になれば体内の水分量が減ると聞いたことがありますが、心不全には、水分をとり過ぎないことが必要なのはどういうことなのでしょうか。脱水状態よりも水分過多の方が悪いということですか。それはC、Dステージだけでなく、A、Bステージでも同様ですか。
体の動かしすぎが悪いのはC、Dステージのことですか。A、Bステージも含めてのことですか。現在、まる1日かけて登山をすることがありますが、将来に悪影響を与える可能性はありますか。ちみに特に現在、持病はありません。(公務員 研究職)

回答:斎藤氏

水分の採り過ぎがいけないのは、ステージCから後の話です。Cになって症状が出てきたため利尿剤などを飲んで一旦症状が治まります。ところがその後、水分を採り過ぎたり、塩辛いものを食べ過ぎるなどによって、また心不全が悪くなることがあります。

水分の量は体重から見ることができるため、重要なのは、ステージCから一度症状が出た後は体重をしっかり量り、体重が増えないよう気をつけることです。心不全手帳にも書かれていますが、毎日体重を量り、その体重をキープすることが大切です。

次に、運動については、ステージAやBの段階では必要以上に運動を控える必要はなく、適度な運動が重要です。心臓疾患で入院し治療や施術を受けた人を対象に、社会復帰や再発防止を目的とした運動療法、心臓リハビリが行われていますが、これについては、筒井先生に回答していただきましょう。

回答:筒井先生

心不全で心臓が悪いから絶対安静かというとそうではなく、歩く、自転車に乗るなどの有酸素運動を中心に、かかりつけ医に相談しながらやってください。ただし、やり過ぎはよくありません。翌日まで疲れが残ってしまうほどの運動はやり過ぎで、歩行であれば、1日30分程度をできる限り毎日、最低でも週3回程度が目安です。

いくつかの指標がありますが、運動をしたときの息切れをスコアで表すボルグ指数では、少し早足で歩くと、息苦しくはないものの、ちょっと息が上がったというボルグ指数12もしくは13が目安になります。

また、心拍数を測っている場合は65%、70%程度が心拍数の1番多いときの目安です。多くの人の場合、100を若干超える心拍数でできるレベルの運動を継続してください。何より、比較的軽めの運動を毎日続ける、長く続けることの方が心臓にとってはより重要といわれています。

第2回に続く