緩和ケア、
終末期ケアの位置づけを明記

もう一点、今回のガイドライン改定で強調されたのが、緩和ケアの重要性である。2010年に改定された前回の慢性心不全ガイドラインには記述がなく、2011年改定の急性心不全ガイドラインでは2ページにとどまった記述が、今回は5ページと充実が図られた。緩和ケアは、欧米のガイドラインでも取り上げられていない。

緩和ケアは従来、がんの領域で行われてきた。これが心不全においても取り上げられた背景には、がんと心不全では進展過程が異なるものの、最終的には死に至る点では同じであり、緩和ケアが必要との判断がある。

ただし、緩和ケアの導入時期を見極めることはしばしば困難であり、終末期を含めた将来の状態の変化に備えるためにアドバンス・ケア・プランニング(advanced care planning ;ACP)を行うことが重要と記されている。

緩和ケアの担い手としては、がんの緩和ケアチームを基準として、医師、看護師、心理療法士、ソーシャルメディアワーカーなど多職種によるチームで行う。さらに病診連携で患者を診ていく場合、地域の中で緩和ケアを行えるプラットフォーム作りの重要性が示された。

また、左室駆出率(EF)を基準とした「心不全の分類」も新たに導入された。EF40%未満の「HFrEF」、40%以上~50%未満の「HFmrEF」、50%以上の「HFpEF」、「HFrEF」からEFが改善した「HRrecEF」の4類型である。これに伴いステージCに対する推奨治療も「HFrEF」、「HFmrEF」、「HFpEF」別に記載された。

なお、ガイドライン本体は日本循環器学会HPから無料でダウンロードできる(http://www.asas.or.jp/jhfs/pdf/topics20180323.pdf)。