多くの業種・業界で人手不足が深刻化している。帝国データバンクでは、従業員の離職や採用が困難となったことで収益が悪化し倒産に至ったケースを「人手不足倒産」と定義し、毎年調査を実施している。その「『人手不足倒産』の動向調査(2013~2018年)」によると、2018年の人手不足倒産の件数は、前年比44.3%増の153件。それら企業の負債総額は合算223億7700万円にも達するという。3年連続の増加で、2013年の調査開始以降の最多を更新した。6 年間の累計件数は 500 件に達している。


 2019年4月の調査でも、正社員が不足している企業は50.3%で、前年同期1.1ポイントの増加。業種別では「情報サービス」や「農・林・水産」の正社員不足が深刻で、いずれも7割以上の企業が正社員不足に悩んでいる。


 非正社員について調査した結果でも、31.8%の企業が非正社員が不足していると回答している。とりわけ「飲食店」は、78.6%もの店舗が人手不足に苦しんでいる。「人材派遣・紹介」「娯楽サービス」「旅館・ホテル」などでも非正社員の不足感が強い。


 こうした中で、デジタル技術を活用して優秀な人材を確保し、定着させようとするHRテックのサービスが数多く登場している。中でも市場規模が比較的大きいのが「採用・管理」と「育成・定着」の領域。以下で、いくつかのサービスを紹介する。

採用時にAI(人工知能)が「後継者候補」を提示?

 人材の採用・管理に関連したHRテックのサービスは、スタートアップを含め数多くの企業が提供している。Donutsが提供する「ジョブカン 採用管理」は、求人や候補者の情報、履歴書・職歴書、面接での評価、利用しているエージェントなど、採用に関する情報をまとめて一元管理できる機能を備えている。全ての候補者詳細画面では、候補者の基本情報、書類・資料、選考結果、メール履歴などの情報を1つの画面で確認でき、選定作業の効率化に役立つ。既に2000社以上の導入実績があるという。


 一方、採用プロセスの効率化だけではなく、AI(人工知能)を活用して次世代の「後継者を予測する」機能を備えているサービスもある。コーナーストーンオンデマンドジャパンの「コーナーストーン リクルーティングスイート」で、アサヒグループホールディングスが採用し、AIによる後継者予測機能で人員計画の立案に活用しているという。ほかにも日立製作所、アルバック(ULVAC)、キヤノン、リコーなど大手企業が導入している。



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