移動を司る駆動部と、サービスを提供する多様な種類の客室部/貨物部。これらを組み合わせて目的にあったクルマを提供する。2019年1月7日~10日に、米国ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES2019」では、自動運転時代を見据え、そんなコンセプトを掲げる展示が複数見られた。


 パナソニックが展示したのは、上下分離型のコンセプト小型モビリティ「SPACe_C」。全長3.85m、幅1.68m、高さ1.95mで、本体重量は1.4tである。上部は着脱式になっており、旅客用や貨物用など、用途に応じて変更できる構造となっている。下部は、スペイン語の亀(Tortuga)から「e-Torta」と命名した。この下部は、同社が開発した小型EV向け駆動系プラットフォーム「48V ePowertrain」をベースとしたもので、車載充電器、電力を分配するジャンクションボックス、インバーター、DC-DCコンバーターなどを搭載する。日本で運用する場合は、最高時速が20km/h未満での走行する車両として、まずは小さなコミュニティで運用することを狙う。この速度であれば、シートベルトなどの保安基準が緩和されるためだ。


パナソニックが展示した「SPACe_C」。下部の駆動部は「e_Torta」と呼ぶ。

 展示では、外部のサイネージと内部ディスプレーを変化させて送迎用マイクロバスと、健康診断カーを入れ替えられることを示すとともに、野菜などの食品の移動販売をするフードキャビン「SPACe_C eMart」を披露した。SPACe_C eMartは、自動運転で広場などに移動し、物販を行う。


 日経新聞の報道によれば、自動車メーカーや自治体などに提案し、早ければ2021年度のサービス実用化を目指すという。


SPACe_C eMart 。e_Tortaの上に冷蔵室を置き、野菜や果物の物販を行う。
パナソニックが見せたプレゼンテーション。利用シーンに合わせて上部がどんどん交換できる。

帝人が支援するオーストラリアベンチャー

 オーストラリアのベンチャー企業、AEV Robotics社も、同じく上下分離構造を持つ車両 を展示した。4つのインホイールモーターで駆動し、ワイヤレス給電で充電する。同社が力を入れるのは駆動を担当する下部の「Robotic Base」である。上部の「Functional Pods」は幅広いサードパーティが作れるように、接続インタフェースを規定する。


AEV Roboticsの「Robotic Base」。駆動系をすべて収めた。

 上下分離構造を提供する狙いを、「下部を共通化することで、最大時速40km程度で動く、多様な形態の移動体を低コストに製造できるようにすること」(同社CEOのJulian Broadbent氏)だと説明する。今後いっそう都市化が進み、自動運転が実現することで、人の輸送を行うだけでない様々なサービスを提供する移動体が必要になるという読みだ。


コンパクトカータイプの外装モデル。下部にRobotic Baseを持つ。(出所:AEV Robotics)

 「2019年に開発者に(Functional PodからRobotic Baseを操作できるようにする)プログラマブルなインタフェースを提供し、Functional Podsの開発を促す。2021年に量産する計画を立てている。価格は(上部も加えた)トータルで現行の電気自動車の半額ぐらいにしたい」(Broadbent氏)。米Nvidiaとも提携しており、同社の技術を使って自動運転機能も実装していく計画である。帝人も開発に協力しており、車両の樹脂化を支援しているという。


医療サービス用のFunctional Podが付いたタイプ。(出所:AEV Robotics)

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用途は多様、消耗品である足回りを独立させ共通化

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