※ 上の写真は東京建物のbrilia minamioi_sr009の内観。モデルルーム内の施設をシェアサービスとして提供する。(写真提供:東京建物)

 2017年度の国内におけるシェアリングエコノミー市場は、2016年度の539億5000万円から32.8%増の716億6000万円に達した(矢野経済研究所調べ)。2018年度以降も成長が続くと見込まれ、2022年度までの年間平均成長率(CAGR)は17%、2022年度には1386億1000万円に拡大するという。市場規模としては巨大とは言いがたいが、17%のCAGRは極めて高い。みずほフィナンシャルグループの調査では、CAGRが高いとされるロボット関連の産業でも6%程度、情報サービスでは1.5%、医療関連では1%、小売りは0.5%にすぎない。


 今後も拡大基調にあると考えられるシェアリングサービスだが、そのイメージは、まだまだUberやAirbnbに代表される、既存ビジネスの「創造的破壊者」だろう。Uberは、タクシーを1台も保有せずに「世界最大のタクシー会社」になり、Airbnbはホテルを1棟も建設していないのに「世界最大のホテルチェーン」になった。「プラットフォーマーこそが世界を制する」といった言葉まで聞こえてきそうだが、日本では、そうした動きに2018年は少し変化が見られた。既存のビジネス・サービスとシェアリングエコノミーとの連携・融合が進んだことだ。

Uber Japanと既存タクシー会社との連携が加速

 2015年に日本に上陸したUber。アメリカをはじめ海外で展開している「個人が自家用車でサービスを提供する」スタイルが、日本では「白タク」と見なされることから、タクシーの配車サービスに切り替えて事業を展開していた。2018年は、そのUberと既存のタクシー会社との提携がさらに進んだ。9月には、名古屋のタクシー会社であるフジタクシーと提携し、Uberのアプリでタクシーの配車が可能になった。続いて12月、今度は大阪のタクシー会社・未来都と協業し、2019年1月からUberのアプリを通じたタクシーの配車を開始する契約を締結した。


 さらに、タクシー業界最大手の第一交通産業が、Uberとの提携を視野に入れて協議しているという報道もあった。実現すれば北海道から九州まで、全国約8000台とされる同社のタクシーをUberの配車アプリで呼べるようになる。


 Uberは今後も既存のタクシー会社との提携を進めていく方針である。ただ、タクシー配車サービスの競争は厳しい。スマートフォンで提携するタクシー会社のタクシー・ハイヤーを呼べる「全国タクシー」を運営するジャパンタクシーは、トヨタ自動車やNTTドコモから出資を受け、東京都内だけでも既に1万台以上、全国では約7万台のタクシーを呼べるサービスを提供している。これは、国内で稼働しているタクシー・ハイヤー、約25万台の4分の1以上だ。


 さらに、国際自動車などタクシー5社とソニーとの連合、ソフトバンクも中国版Uberである「滴滴出行」と組んでタクシー配車サービスに参入する。Uberが日本のタクシー会社と連携した背景には、こうした厳しい競争環境の中で活路を見いだすためだ。

楽天は「民泊をサポートする」サービスを開始

 一方、ライドシェアサービスとともに、シェアリングエコノミーを牽引してきた民泊の分野においても動きがあった。まず、法律が変わった。2017年6月に成立していた住宅宿泊事業法、通称「民泊新法」が2018年6月に施行され、これに伴い、個人でも一定の基準を満たせば、空き家や空き室を「民泊」サービスを始められるようになった。


 こうした規制緩和を受けて、民泊サービスが普及していく土壌は整いつつあるが、実際に個人が民泊サービスを開始するのはそう簡単ではない。例えば、防災・防犯対策、緊急時の対応などでも、いざ、サービスを開始するときには頭を悩ます。


 そこで楽天と、不動産情報サイトを運営するLIFULLが共同出資した楽天LIFULLSTAYは、綜合警備保障(ALSOK)と業務提携。空き家の利活用に向けたサービスを開発するという。空き家や別荘を民泊施設として運営するためには、防災・防犯設備の設置や、緊急時の駆け付け対応手配などが必要となり、民泊を検討している不動産オーナーにとって負担だった。ALSOKと共同で、防災・防犯や緊急時の駆け付けサービスを提供し、不動産オーナーや民泊運営者の負担を軽減する。

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