総務省は2018年5月、シェアリングエコノミーで地域課題解決に取り組む地方自治体の支援を目的に、「シェアリングエコノミー活用推進事業」を採択し、公表した。


 同省では、人口の減少や高齢化が進んだことで、これまで地域を支えてきた近所の助け合いやコミュニティの連携に綻びが生じ始め、それによって様々な地域課題が生じていると指摘。そこで、新たな共助の仕組みとしてシェアリングエコノミーを活用し、地域課題の解決や地域経済の活性化に繋げる取り組みを進める自治体の支援に乗り出した。


 具体的には、地方公共団体が実施するモデル事業を「シェアリングエコノミー活用推進事業」として募集。初年度は、対象分野を「地域人材の活用」「子育てなど女性活躍支援」「地域の足の確保」「低未利用スペースの活用」の4つに絞って全国から募った。空き家や廃校などの遊休スペースや、地域の高齢者などが持つ「活用されていないスキル」などを、地域の企業や住民のニーズとマッチングさせることで、有効利用していこうという取り組みだ。


 同省では、地域人材の活用分野で10事業、子育てなど女性活躍支援の分野で5事業の計15事業を採択。第一弾として長野県北相木村の遊休施設を「シェアエコ・サービス施設」として提供する事業を開始している。


写真は、総務省の「シェアリングエコノミー活用推進事業」に選定された、長野県北相木村のシェアエコ・サービス施設(出所:北相木村村役場)

 北相木村の取り組みでは、2018年10月1日から12月20日までを実証期間として、コワーキングスペースや研修施設、サテライトオフィスを探している企業や大学を募集した。施設は、もともとダム建設時に事務所や宿泊施設として使われていたもので、インターネットとWi-Fiを完備する。こうした遊休施設の活用により、北相木村では来村者の増加による村の活性化を図るとともに、中長期的には移住者の拡大を目指している。


 そのほか、空き家をワークシェアオフィスとして活用しつつ、そのオフィスで働く地域住民に民間企業が業務を発注する神奈川県真鶴町の事業などが採択された。


 ユニークな取り組みでは、雪かきの手伝いができる地域住民を活用して、除雪作業が難しい高齢者を支援する青森県弘前市や、アユ釣り客を中心とした観光客向けの宿泊施設の不足を補うために、地域住民の自宅の空きスペースを民泊に活用する岐阜県飛騨市、ラグビーワールドカップで来訪する観光客向けの宿泊施設や駐車場、交通手段、観光ガイドの不足を補うため、空き家や使っていない車・自転車、観光案内ができる地域住民を活用する岩手県釜石市などがある。地域に特有の課題を解決するため手段としてのシェアリングエコノミーがある。

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経産省がシェアリングエコノミー推進のために環境整備

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