※ 上の図は画像:銀座の分析例。50メートル四方間隔で性・年代分布や、5分ごとの人口増減が把握できる。

 エリアマーケティング支援事業などを展開するドコモ・インサイトマーケティング(東京・港)は2019年1月、提供する人口統計情報「モバイル空間統計」の地理解像度を100倍、時間解像度を12倍に高めた。統計的信頼性と高解像度を強みに、企業や自治体などの分析需要の開拓を加速させる。(日経クロステックより転載)


 モバイル空間統計は国内約7600万台、訪日外国人約750万台(2017年実績)の携帯電話が基地局に接続するデータを利用し、500メートルメッシュ(四方)を基本に1時間ごとの人口統計を提供し、企業や自治体のエリアマーケティングに活用されてきた。


 今回の機能向上では、携帯電話のGPS(全地球測位システム)やWi-Fiといった情報も併用することで、50メートル四方、5分ごとの人口統計の提供を始める。地理解像度を100倍、時間解像度を12倍に高めたことになる。コンビニエンスストア店舗のような小さな施設の訪問や、駅を経由して向かった場所など短時間の滞在を分析することも可能になる。


 特定の施設の滞在時間や訪問頻度の分析、特定の施設を訪れた人が他にどこを訪れているのかといった分析メニューを提供する。将来的には、どの地点を経由して移動しているかの周遊ルート分析メニューも提供する。


 GPSやWi-Fiによる位置データは、NTTドコモが提供する「dポイントカード」利用者の約2400万人、「dポイントアプリ」利用者(ダウンロード数は約700万)の許諾を得て収集している。データは2018年1月に遡って分析できる。


「統計の確からしさ」を強みに

 ソフトバンク子会社のAgoop(東京・渋谷)、リクルートグループのブログウォッチャー(東京・中央)など、既に自社や提携アプリ利用者の端末のGPSを通じて位置情報を取得するエリアマーケティング支援事業者もある。競合との差異化について、ドコモ・インサイトマーケティング エリアマーケティング部副部長・技術統括の鈴木俊博氏は、「7600万台の推計データと組み合わせて算出することで、統計の確からしさを担保している」と語る。


 ドコモ・インサイトマーケティングは高解像度化により新たな分析用途を開拓して、顧客の拡大を狙う。例えば、羽田空港へ向かう人は京浜急行を利用しているのか東京モノレールを利用しているのかといった分析も可能になった。小売業、レジャー施設、交通系の企業や自治体などが、商圏分析や都市計画立案の資料などに使うことを想定している。


 料金は分析対象のエリア数、分析対象期間などによって決まり、50メートル四方でも500メートル四方でも同じ1エリアとカウントする。顧客の要望に応えて分析リポートを出す場合、料金は「100万~500万円の案件が多い」(鈴木氏)とする。


分析の用途に応じてメッシュの範囲を指定できる

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