タイのデジタル化に向けた動きが活発化している。その旗印となるのが「Digital Thailand」というビジョン。推進役は、2016年に情報通信省を改組して発足した「デジタル経済社会省(depa)」である。


 Digital Thailandは、2016年にタイ政府が採択した「タイ・デジタル経済社会開発20カ年計画」に基づくもの。同計画は、(1)生産性の向上、(2)所得格差の是正、(3)雇用の拡大、(4)産業構造の高度化、(5)ASEAN経済共同体でのハブ的役割、(6)政府のガバナンス強化を目標とし、5年後、10年後、20年後(起点は2016年)に目指すビジョンも示している。


 もちろん、タイでもデジタル技術を活用した動きは既に拡大している。Facebookを利用したネット販売や、支払い時に表示されるQRコードにスマートフォンをかざすだけで銀行口座から代金が引き落とされるキャッシュレス決済など、日本も顔負けの側面さえある。


 一方で、就労人口が極めて多い農業のGDPが全体の15%に過ぎないなど、課題も多く残されている。そこでDigital Thailandのビジョンの下、全国的なデジタル技術活用を推進しようとしている。特に意識しているのは、これからの社会を支えていく若い世代のデジタルリテラシーの向上である。2018年9月には、depaが「Digital Thailand Big Bang」と呼ぶイベントの第2回(第1回は2017年9月)を開催した。


 このイベントに合わせて、日経BP総研とdepaは共同で「Asia Digital Society Forum」を開催した。基調講演にはdepaのピチェート大臣が登壇。講演後、インタビューの機会を得て、タイ政府が進めるデジタル化推進の動きについて聞いた。(聞き手は河井保博=日経BP総研)


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