初期投資なしで生産体制を確保する――。そんな新しいスタイルの製造業が生まれつつある。背景にあるのは、FaaS(Factory as a Service)というサービスの台頭だ。


 FaaSは、モノを作って販売したい人や企業向けに、製造装置、ソフトウエアなどの製造環境を月額料金で提供するサービス。産業ロボットと、人工知能(AI)ベースの制御ソフト、クラウド基盤、それに技術サポートを提供する。これまでのように大きな初期投資は必要ない。


 英国・ロンドンを本拠地とするベンチャーのAI Buildは、比較的大型の構造物を3Dプリンターで製造できるFaaSを提供している。サービスに申し込むと、クラウドベースのAIソフト、大型の構造物を印刷するための産業用アーム、それに搭載するセンサーと印刷デバイス、そして印刷するのに最適な環境(一定の温度を保つための)を作るための装置を入れる箱が送られてくる。産業用アームはKukaのものを使用しているが、他のメーカーのものでも対応できる。


 印刷を制御する頭脳はクラウドのAIで、印刷装置が世界中どこにあっても、印刷状況をモニタリングしている。印刷中に問題が起こると、それを検知し、自動で対処するための指令を装置へ送る。装置側に人間は必要なく、アームのキャリブレーションから、印刷前の印刷手順の設定、印刷状況に応じた印刷順序の変更まで、すべて自動で実施してくれる。


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