本誌『DIGITALIST』は2018年11月15日、「Meets DIGITALIST ~デジタル社会での働き方と組織の新しいカタチ~」と題して、主催イベント第2弾を開催した(場所は東京・渋谷のSansan)。テクノロジーによって社会のグローバル化が進む現代、これからの組織がイノベーションを生み出していくためには何が必要なのか。識者の講演、パネルディスカッション、懇親会を通じて、参加者一同が深く考えるイベントとなった。


 基調講演には、Googleで人材育成や組織開発に関わったのちプロノイア・グループを設立、『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(大和書房)などの人気著作でも知られるピョートル・フェリクス・グジバチ氏が登壇。イノベーティブな組織づくりのために必要な、本質的思考転換について語った。

ずっとスーツを着て生きていきたいか?

(以下、ピョートル氏の講演)

 よろしくお願いいたします。スーツの方ばかりですね。僕は結婚式でもない限りはスーツを着ないので、「毎日スーツを着て過ごすってどんな感じなのかなぁ」と思いながらここに立っています。


 みなさんに、ちょっと質問させてください。この中に、このまま人生でスーツを着続けて過ごしたいという方はどのくらいいるんでしょう?少しいらっしゃいますね。では、できればスーツはやめたいという方は?……やはりたくさんいらっしゃるようです。


 ご存知の方も多いと思いますが、Appleの営業はスーツの着用が禁止です。そんな、みなさんにとっては別世界と感じられるかもしれない世界の話を、これからお話しようと思います。ぜひここからは皆さん、好奇心を持って、集中して話を聞いてください。というのは、日本人は実は、世界でも一番好奇心の低い民族なんだそうです。20歳の日本人の好奇心が、65歳のスウェーデン人の好奇心と同じレベルだとか……。


 というわけで、かわいい猫の写真をお見せします。広島大学の研究によると、人間の大人が小さい動物や赤ちゃんを見ると、気持ちが落ち着いてパフォーマンスが上がるんだそうですよ。

「誰もが自己実現できる世界をつくる」をミッションに

 まずは軽く自己紹介をさせてください。


 私が日本にやってきたのは2000年のことです。だいたい半年ほどで、まあまあ日本語が話せるようになりました。それからずっと、日本をベースに仕事をしています。今のところ、日本を去る予定はありません。


 経歴を言うと、長くいたのはモルガン・スタンレーとGoogleですね。Googleを退社したのが2015年のことでした。


 現在の活動の軸は、おおまかに4つあります。一つは、Google退社後最初に立ち上げた会社、プロノイアグループ。僕はGoogleの日本支社で人材育成や組織開発、ラーニングストラテジーなどの仕事をしていました。そこでは、データやテクノロジーを使っていかに社員のマインドセットを変えていくか、良い形で社員同士をつなげていくか、ということの実験を繰り返し行っていたんです。そこでの体験を生かして、プロノイアグループでは「未来創造事業」と名付けたコンサルティング事業を行うようになりました。ちなみにプロノイアというのはギリシャ語で「先読み」、「先見」という意味です。


 プロノイアの後はさらに、元リクルートのパートナーと、モティファイという別の会社を立ち上げました。ここでは人材育成プログラムの提供などを通じて、企業のよりよい環境づくりを支援しています。それからもう一つ、21歳の大学生の女の子が社長をつとめる意欲的なベンチャー、Hand-Cに投資していまして、まったく新しい学校を作る予定でいます。教育、これが3つめの軸ですね。


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