「ホワイトカラーの生産性が低い」「従業員のモチベーションが低い」「イノベーションが生まれない」……。ほぼどの業界からも、こうした声が盛んに聞こえてくる。逆に、このこと自体に異を唱える声は極めて少ない。誰もが、今の日本企業の課題だと感じているわけだ。


 いつごろから、これが当たり前のようになったのだろうか。かつては日本でも、いくつもの企業が、消費者にとっての新しい価値を生み出し、提供してきた。そのために新たな価値づくりにチャレンジする姿勢もあった。失敗を恐れなかったわけではないが、それでも果敢に挑戦する企業があったからこそ、日本は急激な経済成長を遂げた。


 ところが今は、全く様子が違う。新しい価値を生み出さなければならないという危機感は誰にもある。しかし、失敗のリスクを恐れるあまり、前に進めない。何もしないことのリスクには目をつむり、社内で失敗を責められないことを優先する。そこを乗り越え、なんとか挑戦し始めても、「3年以内に結果を出せ」「儲からないならやめてしまえ」といった論調で、可能性の芽を摘んでしまう。


 その一方で、バブル崩壊、リーマンショックなどの経験もあって、多くの日本企業では従業員の人口ピラミッドがいびつになり、昇進・昇格や昇給も遠のいた。もはや、昇進・昇格は大半の企業人にとって魅力ではなく、モチベーションアップの原動力にはなりにくい。


 とはいえ、変化や競争がますます激しくなるデジタル社会。このままでいいはずがない。業界の外から、考えても見なかった新しい価値を引っさげて、ディスラプターはやってくる。ガートナーが先般調査した結果では、日本企業の半数近くが、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)のような企業による“侵略"に不安を抱いている。


 日本企業あるいは、そこで働く人々は何を見誤り、何を変えていけばいいのか。問題の根本は、組織の在り方と働き方、人や組織を機能させるマネージメントにある。Googleアジアパシフィックで人材育成に携わり、現在はプロノイア・グループCEOを務めるピョートル・フェリクス・グジバチ氏に、今の日本企業の課題と解決策について聞いた。

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