みんながモチベーションを持って働きやすく、そして成果を生み出せる。そんな組織と働き方は、どうすれば実現できるのか。


 そのヒントを得るべく、Googleで人材育成に携わり、現在はプロノイア・グループを立ち上げ、未来創造事業を手掛けるピョートル・フェリクス・グジバチ氏にインタビューした。今回はその第2回。


 「大切なことは、やる仕事の内容や役割の定義と目標設定」と話す。「それを、個々のチームメンバーと1対1でコミュニケーションし、丁寧に決めていくことがマネージャーの役割。多くの日本企業のマネージャーは、それができていない」


 イノベーションを生み出せる組織にするには、プロジェクトオーナーとコントリビューターの関係が望ましいとピョートル氏は説明する。プロジェクトを成功に導くために、オーナーは、メンバー(コントリビューター)のパフォーマンスを最大限に引き出すという立場だ。さらに、それぞれのタスクに2人1組で当たるペアワークという考え方を持ち込むことで、それぞれのアイデアが「1+1=2」ではなく「+α」になると説く。

人の組み合わせをもっと柔軟に

ペアワークは、マネージャーも、スタッフも全員ですか?


ピョートル氏 はい、全部です。複数のプロジェクトがあれば、1番めのプロジェクトのマネージャーはAさんとBさん。2つめはBさんとCさん。次はCさんとDさんという具合です。それぞれ、スタッフも同様で、スキルによっていろいろな掛け合わせを考えます。


 日本企業の従来の考え方だと、チームを固定して、そのチームに入って2年間とか5年間とか同じチームで動いてるんですね。でも、これからのデジタル時代、もっと柔軟な組み合わせができるオーガニックなチームの方がいいと思います。そうでないと、スピーディに動けない。


 僕のもう一つの会社では、ソフトウエアを開発していますが、基本的にスプリントで2週間単位で機能を開発しています。次の2週間でここまで持っていく、と決めて動かしていくわけです。そうすると、次はもしかするとデザイナーを入れた方がいい、こういうプログラム言語を使える人を入れた方がいいというように、絶えず人の出入りがあって、チームが常に動いている状態になります。


 その中だと、マネージャーというより、リード役、プロジェクトマネージャーの役割が必要になります。別の見方をすると、プロジェクトのオーナーですね。それに対するコントリビューターがチームメンバーになるわけです。これは、Googleで採用しているOKR(Objective and Key Results)の考え方ですね。


 そうすると、マネージャーでなくても、現場の人たちが自然とチーム作りに関わっていくことになります。例えば僕がオーナーになっているプロジェクトがあったとして、別の部署や外部からコントリビューターとしてAさんを招きます。僕はAさんのマネージャーではありませんが、定期的に1対1(1 on 1)のコミュニケーションをとって、Aさんがパフォーマンス出すような状況を作ってあげる必要があります。


プロジェクトのオーナーと考えると分かりやすいですね。オーナーなら、プロジェクトを一番いい形で成功させることを重要しますからね。


ピョートル氏 そうすると、ステータスとか肩書きとかじゃなくて、アウトプットの面にみんながフォーカスするようになるんです。


チームのメンバーも幅が広がりそうです。


ピョートル氏 そうですね。プロジェクトごとに、執行責任者、コンサルタント、広報、経理など必要な役割を決めて、必要な人材を選ぶということになります。最近は、従来どおりの正社員だけでなく、副業を含めた契約社員が入るケースも増えています。インターンもいますね。インターンでも、ゴール設定をしてOKRを立ててもらい、学びたいことや、会社のために貢献できることのバランスを取って、すぐタスクを渡してコーチングしていけば、ちゃんとコントリビューターになります。大切なのは、そのゴール設定と、ゴールに向けてやるべきタスクの明確化です。

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