クルマというのはおもしろいもので、現在にとどまらず、みんな、過去、そして未来のことを語りたがる。ファンもそうだし、作り手もだ。特にこのところ、メーカーが未来を語る場として重要視しているのが、毎年年初にラスベガスで開かれる「CES」である。


 1967年に「消費者家電ショー(CESはその頭文字)」として始まったB2Bの展示会がオリジンだ。近年は主催者があえて「セス」と呼んでほしいと注文をつけるなど、内容的には家電というよりも、電子を中心とした先進技術が前面に押し出されている。


 クルマもいま、情報化および知能化の時代といわれる。安全運転支援技術や外部との通信技術、ドライバーら乗員とのコミュニケーション技術などが、短い時間に長足の進歩を遂げているのだ。ショーでも、従来は性能やスタイルを喧伝していればよかったのが、見せるポイントが変わってしまった。


 その動きと呼応して、うまく自動車メーカーの呼び込んだのがCESなのだ。ここ数年、自動車メーカーは新しいデジタル技術などの発表の場としてここを選ぶようになってきた。わりを喰ったのは、歴史あるデトロイトでの北米国際自動車ショーである。開催時期が近接していることもあり、デトロイトでの展示をやめてCESに移ったメーカーもがいくつも存在するのだ。


 ラスベガス・コンベンションセンターを舞台に開催されたCESは、「世界的な集いの場」と主催者が定義するだけあって、世界的な大メーカーからスタートアップまで、あらゆるレベルの人に交流の場を提供している。それも人気の理由だ。来場者のなかに企業の意思決定者であるエグゼクティブが多いというのも主催者がアピールするポイントだ。


 2019年は1月9日に開幕し、数多くの自動車とその関連技術が展示された。さらに自動運転車の試乗など、広い敷地を生かして、いわば3次元的な展示で“いまのクルマ”を体験できたのが来場者にウケていたようだ。


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 展示の傾向は各社各様である。トヨタ自動車が注目したのは安全

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