中国でスマートフォンによるキャッシュレス決済が普及していることはよく知られている。ただ筆者が感じているところでは、キャッシュレスというよりも、ウォレットレスが浸透しているといったほうがしっくりくる。現金、クレジットカード、キャッシュカード、交通系ICカード、会員カードなど各種カードとレシートといったものが入った財布を持ち歩かなくても、生活には困らない。

銀行ではATMがスマホ認証や顔認証に

 例えば銀行。中国のどの都市にもある大手銀行の「招商銀行(ジャオシャンインハン)」では、顔認証によるカードレス取引を可能にしたと発表している(2018年12月27日発表)。


 同行のATMを利用するとこんな感じだ。まずメニュー画面でカードか、スマホ現金取り出し(手机Pay取款)か、顔認証かを選択する。顔認証を選択するとATMについたカメラで利用者の顔認識処理を実行する。昆明という内陸の街で筆者が試したところ、認識時間は3秒程度だった。北京や上海などでは、銀聯カード決済の速度は昆明より圧倒的に速いことから、顔認証時間についても地域によってはもっと処理速度が速くなるかもしれない。


招商銀行(ジャオシャンインハン)のATM顔認証捜査の様子

 顔認証終了後、2段階セキュリティとして電話番号の下4桁を入力する。両方が通ると「身分認証成功」の文言と、銀行カード番号の最初4桁と最後4桁が表示される。その後キャッシュカードでの引き出しと同様に、引き出す金額をボタン押下で設定し、暗証番号を押すと現金が出てくる。なお、顔認証は事前の登録が必要で、外国人は登録できないようだ。


 顔認証を使わず、メニュー画面で「スマホ現金取り出し(手机Pay取款)」を選択した場合でも、キャッシュカードを使わず現金を引き出せる。スマホで招商銀行のアプリを起動し、ATMに表示されたQRコードをスキャンして、アプリから引き出し金額を設定すれば現金を引き出せる。招商銀行のガラス壁やATMにはカード不要で現金が引き出せるポスターを張り出しているなど、カードレスに向けてのアピールにも積極的だ。


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ショッピングのカードはPaaSの中に

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