※ 上の写真はアウディ「e-tron」の走行中の回生度合いをチェックしているところ(出所:Audi)

 1886年にゴットリープ・ダイムラーが化石燃料を使う内燃機関で走る自動車を発明して以来、自動車にとって大きな課題は石油だった。石油を産出しない国では、クルマを作る人も使う人も、産油国との関係に一喜一憂してきた。


 21世紀になっても、依然として石油がメーカーとユーザーの大きな関心事であることに変わりはない。イランやベネズエラといった大のつく産油国と米国の関係が、燃料の末端価格にまで影響する。それが私たちの日々の生活における悩みの種なのだ。


 ここにきて、電気自動車(EV)の本格的な生産を視野に入れた自動車メーカーは、今度は石油でなく、バッテリーという課題と向き合うことになった。フォルクスワーゲンが先頃、バッテリーをめぐる長期計画を発表したのが興味深い。


 デジタルなものは、ほぼすべてバッテリーと無縁ではいられない。このため自動車向けとして、バッテリーの大容量化、高出力化、さらに複数化が進んでいる。複数化というのは、ハイブリッドシステムやサスペンションなどの電子制御化などのために補助的にバッテリーを使うことをいう。


 「今後10年間で、約70車種の新しい電気自動車が発売される予定であり、グループ内のeプラットフォームをベースとした車両の生産は、2200 万台の予定です」。EVの展望を述べるのは独フォルクスワーゲン(VW)だ。


 グループというのは、フォルクスワーゲンを筆頭に、アウディ、ポルシェ、セアト、シュコダといったブランドである。アウディでは2018年にEVの「e-tron」を発表し、既に欧州では納車が始まり、日本にも生産体制が整えば年内導入を検討している。


 「ID.」と名づけたVWのピュアEVは5月から受注しているし、ポルシェのEVも登場間近だ。加えてランボルギーニやベントレーまで、プラグインハイブリッドの販売を予定している。


 EVのマーケットシェアが増加することは、バッテリーの需要もまた増えることを意味する。「フォルクスワーゲングループのバッテリー需要が、欧州とアジアだけでも年間300GWh以上に増加することを意味」するとVWでは言う。


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