英ベントレー・モーターズとRCAのコラボによって生まれたケイト・ナム=ゴーン氏の作品


 2050年の自動車はどんな姿をしているのだろうか?


 英ベントレー・モーターズが2018年10月、王立芸術院(ロイヤルカレッジ・オブ・アート=RCA)とのコラボレーションを発表した。テーマは「自動車における英国のラグジュリーの未来」だ。「インテリジェント・モビリティプログラム」という特別カリキュラムで、トランスポテーションデザインを専攻する学生たちに指針を示し、未来を予測させるものだ。学生のうち幾人かはベントレー・モーターズのデザイナーからの指導を受けて、アイデアを完成させていった。


 「ベントレーはラグジュリーカーの先頭を走ってきたブランドです。ミレニアル世代の若者と力を合わせて未来のラグジュリーをデザインしようというのが今回の企画です」


 ベントレーでデザインディレクターを務めるステファン・ジーラフ氏はそう語っている。ジーラフ氏はアウディにデザイナーとして入社し、RCAへの企業留学で優秀な成績を修めた人物である。ロンドンにあるRCAは自動車デザインの世界では名門中の名門で、これまでも数多くの著名デザイナーを輩出してきた。


 ジーラフ氏はその後、アウディからメルセデス、そしてアウディとキャリアを重ね、2016年からベントレー車のデザインを統括している。


 「未来はデジタルテクノロジーに彩られる」というのが一般的な見方かもしれない。ただ、ジーラフ氏とともに2050年のクルマのコンセプトを考えた学生たちは、意外にもエンジンの音や操縦の楽しさを意識した。

アイリーン・チュウ氏の作品(写真=Bentley Motors)

 上に挙げたのはアイリーン・チュウ氏の作品「ラグジュリー・サウンドスケープス」だ。車両は自動運転だが、キャビン内の快適性をより追求したアプローチとなっている。そのため、チュウ氏は音のフィルター装備を提案した。快い音と不快な音を区別し、乗員は気持ちのいい音だけ聞いていられるのが本当の意味でのラグジュリーではないか、という。精神衛生にもいいし、旅などの時の疲労感軽減も重視しているのだ。

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