OKRは簡単には到達できない野心的な目標です。そのため、部下に実行を丸投げしても、うまくいくはずがありません。目標が高いからこそ、上司は部下とともに、ゴールに向けて階段を上って行く過程を1on1で支援し続ける必要があります。

目標設定とマネジメントのタイプ分類

 昨今、上司と部下の頻繁な対話(1on1:ワン オン ワン)を導入する会社が増えています。期初と中間と期末の3回だけの面談では部下の成長とパフォーマンス向上につながらないことから、より頻繁に1on1の面談を行って、部下を継続的に支援していく必要があるからです。

 しかし、従来の目標管理制度(MBO)をそのままにして1on1を導入しても、思ったような効果を出すのが容易ではありません。そもそも、MBOのベースとなる思想と1on1の思想が大きく異なるからです。

 目標によるマネジメントのパターンは、目標設定のタイプとマネジメントのタイプによって以下のように分類されます。

(目標設定のタイプ)

(1)主体的目標
本人が主体的に「目指したい」と願うゴール。OKRはこのタイプです。

(2)受動的目標
本人の意志よりも、「やるべき」と上から下りてくるゴール。従来の目標管理制度における目標設定はほとんどがこのタイプです。

(マネジメントのタイプ)

(1)内発的動機付け
仕事を通じた働きがいや成長実感が継続的に得られるように、個々人に応じて直接的に働きかけるマネジメントです。1on1はこのタイプであるべきです。

(2)外発的動機付け
会社が決めた評価基準に基づいて成績を付けたり、金銭的報酬や昇進などの外形的なインセンティブによって動機付けるマネジメントです。これまでの目標管理制度は、大部分がこの考え方に基づいています。

 上記の組み合わせは理論上では2×2の4パターンがありますが、ちぐはぐな組み合わせだと十分な効果が得られません。

効果を生み出すシナリオを描く

 目標設定がOKRのように「(1)主体的目標」(しかも高い目標)で、マネジメントが「(2)外発的動機付け」の場合をイメージしてみてください。外発的動機付け重視のマネジメントでは、個々人に対する上司からの個別支援が少なく、働きがいや成長実感は自分で見いだしていかなければならないため孤独です。

 その結果、高い目標を追い続けることへの意欲を持続できず、力尽きてしまう人が数多く現れるでしょう。結局、OKRなど無駄だという声が高まって、元の目標管理制度に戻ってしまうことは容易に想像できます。