(写真:123RF)

 本稿を2019年12月末に書いているが公開は2020年1月に入ってからになる。年末年始は物事を根本から見直すのに良い時期だから、人事部とは何をするところか改めて考えてみた。

 どのような組織であっても何らかの問題を抱えている。その中で、人に関する問題を解決するのが人事部の役目だ。

 多くの企業にとって問題の筆頭は人件費の高騰であろう。抑制するか、できれば減らしたい。給与や賞与の算定方法を見直したり年俸制を導入したりする。年金の在り方を見直す必要もある。

 一方で優秀な人材を採るために、例えばAI(人工知能)に詳しい技術者に高額の年俸を提示したりする。ただし年俸に値する技術力が本当にあるのかどうかを、誰がどう見極めるのかといった問題が生じる。

 人件費高騰と並んで頭が痛いのはいわゆる働き方改革である。実態は「早く帰れ」という長時間残業対策がほとんどだ。働く社員の上司の働き方も変えないといけない。部下に対し何らかのハラスメントを起こさないように研修する。

 働き方改革に入るかどうかは分からないが管理職や社員に問題を起こさないように働いてもらうための研修テーマは色々ある。各種の法規制の遵守(コンプライアンス)、情報セキュリティなど。人事部は社員研修の企画と取りまとめも担当する。

 社員の健康に今まで以上に配慮することも求められる。例えばハラスメントが発生してうつ病を発症した社員がいて大事になり、それが表ざたになったら大問題である。インターネット時代の今、この手の出来事は当該企業の経営者の発言や対処の内容も含め瞬時に情報が社内外に広がってしまう。

 ここまで列挙したのはいずれも重要な仕事であり人事部の責務は重い。ただし書き連ねていると段々気分が暗くなる。年初には明るいことを考えたい。

前向きな「課題達成」に取り組もう

 人事部は前向きな課題を達成する、あるいは達成を支援する組織でもある。問題解決から考え始めるから暗くなる。

 課題の筆頭はしっかり稼ぐ組織にすることだ。日々の業務あるいはプロジェクトを成功に導く人材を揃えて成功させる仕組みを導入する。具体策はすでにたくさんある。

 例えば適材を見つけ適所に配置するためのタレントマネジメント、プロジェクトを成功させるためのプロジェクトマネジメントやリスクマネジメント、社員が自律して動けるようにする組織運営の仕組み、IT(情報技術)利用などである。必要な策を選び、社員に研修し、取り組みの結果を評価し、社内に定着させる。

 しっかり稼ぐ事業のサイクルを回していくのと共に新しい事業を生み出すことも重大な課題だ。いわゆるイノベーションである。社員の創造性・想像性を高める研修や仕組みを取り入れる。例えばデザイン思考、アート思考を伸ばす研修もある。能力開発のやり方も迷うくらい、たくさん世の中にある。