(写真:123RF)

 “because I got tired of this culture, too submissive”(従順すぎる日本の文化にくたびれてしまったものですから)

 さる2月9日、第92回アカデミー賞授賞式でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受けたカズ・ヒロ(Kazu Hiro)氏の発言である。1年前の2019年3月に米国市民権を得たヒロ氏は授賞式で日本について質問された際、“Sorry”を繰り返しつつ、日本を去ったと述べた。日本では“too submissive”が訳されずに報じられ、そのことがインターネット上で取り沙汰された。

 「これから世界は、そして日本はどうなるのか」というお題で、ある経営者と意見交換したところ、彼は冒頭の逸話に触れ、「サブミッシブ(submissive)なカルチャーが問題」と指摘した。この人は長年海外で働き、経営をしてきた。

 「社員も幹部も経営者もルールと仕事を与えられ、従順にこなすことに集中している。これではいずれ窒息死する」

 英和辞典で“submissive”を引いてみると「屈服する」「従順な」などと出ていた。はっきり指摘されるとあまり面白くないが彼は畳みかけてくる。

 「日本を飛び出し海外で活躍する人は多かれ少なかれ従順な空気に違和を感じ、反抗してそうなったのではないか」

 彼も同じなのだろう。言っていることは分かるものの依然として面白くないので少し議論をした。

日本の大問題はパターナリズム

 「屈服では聞こえが悪いが、従順ないし柔順は長所になる場合もある」と言ってみたところ直ちに言い返された。

 「新型ウイルス問題の先行きはまだ分からないし、結局、自粛が正解だったということになるかもしれない。それでも曖昧な自粛要請に大多数が応じる様子を見ると日本人はやはりサブミッシブ。一方、米国では“free to walk around”を求めてデモが起きる。これまた良い悪いはともかく個人主義や自由主義のカルチャーがはっきり出ている」