才能がある人が時間に関係なく働き、そこまで才能がない人はやることをやって定時に仕事から離れる。報酬に差が出るが両者から不満は出ない。そうするにはこれまた理想論になってしまうかもしれないが一人ひとりの自律が欠かせない。

 要するに自分のことは自分で決め、自分を位置付けられるということだ。自分は自分だから、自分より才能がある人が高給をとっても気にならないし自分を卑下することもない。自分の役割が分かれば「お互い同士、何よりも『才能』を尊重し合」え、協力もできる。

 社会生態学者、ピーター・ドラッカーに“The Effective Executive”という著書がある。邦題は『経営者の条件』となっているがドラッカーが分身と呼んだ翻訳家の上田惇生氏は「Effective Executiveとは『できる人』という意味」と語っていた。同書の中でドラッカーはたとえ新人であっても正しいことをやれる人はエグゼクティブだと書いていた。

 『経営者の条件』の中でドラッカーが説明している時間の使い方、仕事のやり方を社員にトレーニングするとよいのではないか。もっともトレーニングを受けて以降も自分を磨き続け、平社員であってもエグゼクティブとして活動するかどうか、それは本人次第だから結局「できる人はできる」ということかもしれない。

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谷島 宣之(やじま・のぶゆき) 日経BP 総合研究所 上席研究員
谷島 宣之

 1985年電気通信大学情報数理工学科修士課程修了、日経マグロウヒル社(現・日経BP)入社、日経コンピュータ編集部に配属。日経ウォッチャーIBM版記者、日経ビズテック編集委員を経て、2007年から日経ビジネスオンライン、日経コンピュータ、ITproの編集委員。2009年1月から日経コンピュータ編集長。2011年6月から日経BPビジョナリー経営研究所研究員。2015年から現職。一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。著書に『ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国』(日経BP、2013)、『社長が知りたいIT 50の本当』(日経BP、2016)がある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。