協調性の高さは日本の組織の長所であると同時に短所である。協調性を隠れみのに、自ら考え、意見を表明することから逃げている人もいるからだ。こうなると協調性が高い組織が馴れ合いや迎合の場になってしまう。

 かねてよりの課題であった働き方や雇用制度の見直しを新型ウイルスの影響により急ぐ必要が出てきている。すぐに一丸となれる長所なのか、馴れ合いと迎合を生む短所なのか、自社の協調性を見極めるところから始める必要がある。

自分の姿勢と他者への理解を軸に組織を見定める

 協調性は個人と個人あるいは個人と組織の関係を示す言葉である。そうした関係を考えるための一つの枠組みを紹介する。ビジネスコンサルティング会社、インターブリッジグループ(ibg)が組織を分析するために作ったものから抜粋した。

 企業でも団体でも部や課でも、あるいはプロジェクトチームでも、人が集まると、構成員一人ひとりの自己(主観)と他者(客観)との間に何らかの関係が生ずる。他者は同僚など個人の場合もあれば組織全体を指す場合もある。

 どのような関係になるかを見極めるために軸を2本用意する。縦軸は「自己の信念・主張」の強弱であり、自分として何としても譲れない考えを持ち、それを主張するのであれば「強」になる。

 横軸は「他者への理解・疑念」の強弱である。自分の周囲にいる他者や自分が所属する組織の考え方や方針を理解し、尊重できるのであれば「強」とする。「疑念」とは分からないことや納得がいかないことに気づくという意味であり、他者を理解しようとする姿勢がないとそもそも出てこない。

 この枠組みは自分と自分が所属する組織との関係を考えるために使える。さらに別の組織を分析するためにも使える。後者の場合、組織の所属員の考えを調査するなどして縦軸と横軸の強弱を判断する。