「3)ペースセッター型リーダーシップ」背中で育てるは通用しません!

 「私を手本に、私の真似をしてついてきなさい」

 「私と同じスピードで、皆、走れ!」

 「教わるのではなく、私を見て学べ!」

提供:Que

 「ペースセッター型リーダーシップ」は、リーダー自身がチームの先頭に立ち、手本を示しながら、チームをどんどん引っ張り、スピードを上げていくリーダーシップです。リーダーがアクセルを踏み込んで、チームを引き連れて疾走していくようなイメージです。優秀な人材がリーダーに抜擢された時に、かなりの確率で実施する可能性があります。

 これも大事なポイントですが、このペースセッター型リーダーシップを発揮しているリーダーのモチベーションは、とても高い状態です。自信満々だからこそ、「私についてこい」と言えるわけです。また、このリーダーシップを日常的に発揮している時、アクセス全開で風を切りながら走り続けるリーダー自身はとても気持ちが良いはずです。

 しかし、チームメンバーの状態はどうでしょうか? これは大問題で、マイナスな影響を受けているのです。日常的にペースセッター型リーダーシップを発揮されていると、メンバーは疲れ果ててしまいます。そして仕事を頑張るのではなく、リーダーの顔色を見て先読みすることばかり気にするようになります。もし、皆さんが、一緒に働いているメンバーや後輩から「リーダーについていけません」「あなたと同じようにやるのは無理です」と言われたことがあったなら、このペースセッター型リーダーシップで、メンバーを振り回してしまった結果かもしれません。つまり、このリーダーシップも、日常的に発揮することを控えなければなりません。

 では、出番はいつか? これは、短期間にすべてのエネルギーを集中して結果を出さなくてはならない時に使うと有効です。例えば、半年がかりのイベントの準備をしてきて、本番まで1週間前というタイミングです。「いよいよこのイベントもあと1週間で本番ね。皆、とても疲れていると思うけど、最後の1週間はこれに集中してください!私も頑張るから皆の最後のエネルギーを出してほしい!」こんな感じで使います。

 また、社内の働き方改革横断プロジェクト(定期的に3カ月ミーティングして答申をまとめる)で自発的に参加したメンバーたちのリーダーになった時に使うと良いでしょう。メンバーを指導・監督する必要はなく、達成意欲を高めればおのずと結果が出てくるような場面です。

 リーダーの意欲と行動力に触発されたメンバーは、自分もリーダーと同じように高いレベルの仕事を達成したいと力を発揮します。どんどん、アイデアや提案が出てくるでしょう。結果的に、プロジェクト期間を短縮できるかもしれません。ドリームチームをリードするイメージを思い描いてみてください。しかし、すべてのプロジェクトがドリームチームになるとは限りません。リーダーの思いこみは禁物です。

 注意したいのは、担当者としてアクセル全開で頑張って結果を出してきた結果、リーダーに抜擢された時です。

 今までと同じようにアクセルを踏み込んでしまっていると、ペースセッター型リーダーシップの型にはまってしまいます。メンバーや後輩のスピードに我慢できなくなって、仕事を横取りして自分がやってしまうのは、まさにペースセッター型です。自分一人が暴走して、後ろを見たらメンバーは誰もついてきていない「一人旅」の状態かもしれません。その状態になる前に、自分についてきていない部下を責めるのではなく、自分のリーダーシップの間違いに気づいてください。