「6)民主型リーダーシップ」でオーケストラの指揮者になる!

 「皆さんの意見を聴かせてください。皆さんはどう思いますか?」

 「民主型リーダーシップ」はメンバー一人ひとりを尊重し意見を聞いたうえで、物事を決めていくリーダーシップです。このリーダーシップが日常的に使われることは、プラスの影響を与えますが強い影響力があるわけではありません。公平性、メンバーに平等観を与え、参加意識を高めます。

 このリーダーシップが非常に活躍する場面が2つあります。一つは、組織のルールや体制を大きく変える場面です。「皆の意見を全部聞いたうえで、○○になりました」となれば、メンバーの合意や賛同を得られます。たとえばサマーカジュアルの服装規定なども、皆の意見を聞いたうえでの決定となれば、納得感が高まります。ただし、組織の体制やルールを変える立場になることは、それほど多くはないかもしれません。

 もう一つは、自分がプロジェクトリーダーに任命され、チームに専門家やシニアメンバーが加わって一緒に仕事するような場面です。専門家はもちろん専門知識が、シニアメンバーには高い経験値があります。それらを引き出すために、このリーダーシップはとても有効です。まさにダイバーシティ時代を迎えた今、多様なメンバーと一緒に働くようになっています。リーダーの役割はオーケストラの指揮者です。それぞれのメンバーが持つ楽器から素敵な音色を出してもらいながら、ハーモニーを作っていくことです。だからこそ、このリーダーシップがなくてはならないのです。

 では、昭和の軍隊型組織においては、どうか?

 これまた、リーダーシップには入っていませんでした。軍隊型組織は、トップダウンのピラミッド型の組織です。命令が上から下に向かって降りていく一方通行です。「新入社員のくせに、一人前の口をきくな」「おまえが発言するのは10年早い」 そんな言葉が若い世代に対して飛び交いました。全く民主的ではなかったのです。今は、ダイバーシティ&インクルージョン時代です。多様なメンバーがそれぞれ発信すること、その融合こそが「イノベーション=新しい価値の創造」に繋がります。だからこそ、「民主型リーダーシップ」も2000年以降、大切なリーダーシップとして登場しました。

 これもまた、女性の方が得意かもしれません。男性は競争するのが好きですが、女性は共鳴することを好みます。男性は上下関係すなわち縦の関係を重要視しますが、女性は上下ではなく横に繋がることが得意です。女性たちは、日常的にこのリーダーシップを使っている人が多いかもしれません。

 今回の「5)関係重視型リーダーシップ」と「6)民主型リーダーシップ」は、まさに2000年以降のダイバーシティ&インクルージョン時代になったからこそ、必要なリーダーシップとして登場しています。そして両方とも、女性の方が、自然に使っている人が多いと思います。母性に通じるリーダーシップだからです。

 ここで少しだけ、男性と女性の性差について触れておきます。最近は「草食男子」、「肉食女子」という言葉があるようにユニセックスな時代に入ってきています。しかし、やはり身体の構造上、ホルモンの違いも含めて、私は男女の性差を感じます。40歳以上の男性・女性なら、イメージしやすいかもしれません。

提供:Que

 次回が、最後の「7)コーチ型リーダーシップ」の説明です。実は、この7番目こそが、人間力リーダーとして一番重要なものとなります。また、最終的にこの7つのリーダーシップを使うにあたり、日々、どんなことを心がければいいかをまとめたいと思います。

植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。