それは、一般的なストーリーには足りない、3つの要素を組み込むことです。

 1つ目は、明確なゴールです。

 ビジネスプレゼンの際、最初に考えたいのは、何を伝えるかよりも、「そのプレゼンの結果、相手から何を引き出したいか」というゴールを明確に設定することです。そして、そのゴールを達成するためには、どんなストーリーをどのように伝えるべきなのかを決めなければなりません。

 2つ目は、明確な学びです。

 コーポレートストーリーから聞き手が得られる学びとは何でしょうか? 聞き手にとって何らベネフィットもないプレゼンなら、「ああそうなんだ」で終わってしまい、プレゼン後は忘れ去られてしまうことでしょう。聞き手にとっての学びが引き出せなければ、ゴール達成も実現しえません。例えば、「この商品を購入したらこんな便利な生活が待っているんだな」ということです。

 そして3つ目は、明確なネクストステップです。

 ゴールを達成し、聞き手から学びを引き出したなら、ゴールに沿った「次なるステップ」に確実につなげたいものです。あなたのプレゼンを聞いたあと、聞き手は何をすればよいのでしょうか? メルマガに登録してもらいたいのでしょうか。キーパーソンを紹介してもらいたいのでしょうか。あるいは、既存の競合商品から自社商品へ買い替えてもらいたいのでしょうか。明確なネクストステップが提示できて初めて、相手を動かすことができます。

M社の例をコーポレートストーリーにすると

 コーポレートストーリーの真の目的は相手を動かすことですから、周到な準備が必要です。そしてコーポレートストーリーを語るには、事例紹介よりも時間がかかります。ただし、箇条書きのような事例紹介では、聞き手の心を動かすのが難しいことは皆さんもお気づきだと思います。

 事例紹介よりもコーポレートストーリーが数分長かったとしても、聞き手の心をつかみ、彼らを動かすことができるなら、その時間も惜しくないはずです。

 では、M社の例を事例紹介からストーリーへ発展させてみたように、さらにストーリーからコーポレートストーリーへと発展させてみましょう。

 ここで想定するコーポレートストーリーづくりの3つの要素は下記のとおりです:

明確なゴール:類似商品に対抗する秘訣を共有し、わが社のコンサル部門への信頼を高め、コンサルの依頼を受けること。

明確な学び:特許を事前に取得しておくことと、自社の差別化を際立たせる活動を行うこと、この2点が大切。

明確なネクストステップ:わが社のコンサル部門と、初回ミーティングのアポを取ってもらう。

 これら3つの要素を念頭に置くと、こんなコーポレートストーリーが語れるのではないでしょうか。一例としてご覧ください。