パーソナルブランディングの3つのステップ

 ビジネスにおけるパーソナルブランディングのやり方は、以下の3ステップです。

ステップ1:「自分はどういう人か」を客観的に知るために、自分を構成する材料を書き出して並べる。

ステップ2:その材料を使って、今後どういう仕事を、誰と一緒にやっていきたいか、再構築する。

ステップ3:今後、自分がやりたい仕事を、周囲に発信する。

 まずステップ1では、可能な限りの言葉を使って「自分を表現する」ワークを行います。例えば「私は〇〇である」。この〇〇に入る言葉を、ポジティブ、ネガティブ問わず30個、短い時間で書き出すのです。これは自分が自身に付けているラベル(タグ)を明文化することで、どのように自己を認識しているかを知り、自身の個性や特徴を明確にする作業です。

 ステップ2は、仕事のスキルだけでなく「人柄で指名される」ためにはどうしたらいいかを考えます。自分が一番好きで得意なジャンルの仕事は何か、どんな仲間と仕事をしたいのか、どの顧客からどんなふうに指名を受けたいのかなどを、明確に言語化します。言葉で、自分の心を未来像にセットしていくのです。

 また競合(ライバル)との特徴差も明確にして、自分だけしかできない仕事、ブルーオーシャン戦略を作成します。

 最後のステップ3では、パーソナルブランドを周囲にどう伝えていくかを考えます。名刺やメールの署名を工夫する、SNSやブログを使って外部に発信する、メディアに出るなど、予算の規模や時間の制約によって、様々な発信方法があります。ポートレート写真の撮影やプロフィル作成、また立場に応じて服装の方向性を修正したり、人物のテーマカラーを定めることも。

 社外だけでなく、社内のチームメイト、上司・部下、他部署などに対しても、「らしさ」をきちんと伝えることが重要です。

個人にも、そしてチームにも大きな効果をもたらす

 パーソナルブランドが整い、あなた「らしさ」が周囲に浸透しはじめると、周りからの扱いが明らかに変わってきます。例えば「看板効果」で、得意なジャンルの情報がより多く集まってくるようになる。指名で仕事が入るようになる。周囲から引き立ててもらって自分が行きたかった部署に異動できることも起こるでしょう。転職や昇格を希望する人も、思いどおりに行くようになります。

 逆に苦手で不得意な仕事は、自分の周りから自然に減っていくでしょう。

 そして、チームでパーソナルブランディングに取り組むと、社内で仕事を取り合ったり、役目が重複するなど、無駄なポジション争いで消耗することが激減します。各人の個性がはっきりするので、その人に最もふさわしい仕事を渡し、お互いにポジションを譲りあうことができるのです。異ジャンルが得意な人とタッグを組み、より大きな仕事を取りにいくこともできるようになります。

 戦うべきは社内ではなく、競合企業、そして新しい市場です。チーム戦で勝つことができれば、会社はより強くなります。

 このように、様々な効果効能があるパーソナルブランディング。これからのビジネスパーソンこそ必須のスキルといえるのです。

守山 菜穂子(もりやま・なおこ) 株式会社ミント・ブランディング
代表取締役/ブランドコンサルタント
日経BP総研 客員研究員
守山 菜穂子

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。(株)読売広告社を経て、2000年(株)小学館に入社。ファッション雑誌や情報誌のメディア営業として、10年間で国内外約1,000社の企業とブランディングのプロジェクトを行う。2010年よりデジタル事業局にて、電子書籍・デジタルコンテンツの開発やWEBマーケティングに携わる。
2014年にブランドコンサルタントとして独立。2017年(株)ミント・ブランディングを設立し、代表取締役に就任。現在は企業やクリエイターに向けてブランディングや広報のノウハウを提供し、企業研修やセミナー講師としても活動する。

守山菜穂子 公式サイト
http://naoko-moriyama.com/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。