企業内での「ダイバーシティ(多様性)の推進」が、人材開発においてパワーワードとなっている現在。ダイバーシティとは、性差だけでなく、障がいの有無、国籍などの多様性を尊重し、そうした多様な人材を組織に受け入れて活用していくことです。

 とはいえ企業の担当者には「ダイバーシティ推進担当を任されたが、具体的に何から手をつけたらよいか分からない」という方も多いことでしょう。

 本記事では、パーソナルブランディングがダイバーシティ時代の組織づくりに寄与する技術だということを解説します。

(守山氏提供)

女性に加えて、障がい者、LGBTが各方面で活躍

 日本では、2016年4月に施行された「女性活躍推進法」の存在がダイバーシティ推進の大きなきっかけとなりました。2020年までに上場企業の役員に占める女性割合を10%にするという政府の方針のもと、各企業が積極的に女性の役員登用を進めています。

 また同年10月に施行された「障害者差別解消法」は、障害者の社会進出を後押ししています。さらに東京都では、2018年10月「障害者差別解消に関する都条例」を施行。これにより、障がいを理由に就職時の採用、来店、取引、コミュニケーションなどの一切を拒むことが、民間企業でも事実上禁止となりました。東京 2020 パラリンピックを目前に控え、当然の施策とも言えます。

 この法律により、障がい当事者が、企業とのコミュニケーションにおける問題を指摘したり、声を上げやすくなり、社会への進出が大いに進むと見られています。

 スポーツではパラアスリートが活躍し、東京2020大会に向けて企業との契約が活発化しています。

 多様な性については、2015年に東京都渋谷区にて同性パートナー条例が施行。2017年には世界初のトランスジェンダー議員が埼玉県で誕生するなど、LGBTをカミングアウトした人の政治進出が続いています。これから法律や制度の改革などがますます進むことでしょう。

 テレビや雑誌で活躍するタレントが自身の病気や障がいをオープンにしたり、新たに障がい者タレント専門の芸能プロダクションも開設されるなど、エンターテインメントの世界でも障がい者の活躍が増えています。また、自身のジェンダー(社会的・心理的性別)をオープンにして活動するタレントがメディアで活躍し、人気タレントランキングの上位を占めるまでになったことが、LGBTの社会認知度を上げたことは間違いありません。

 このように「ダイバーシティ(多様性)」の本質を捉えるには、様々なアプローチが必要です。女性の役員登用、長寿化・定年延長によるシニア労働力の活用、障害者の社会進出、外国人労働者の増加、LGBTへの理解……。こうしたことを前提とした人事施策が必要とされています。