村田製作所は、国内電子部品大手では営業利益率16.9%(19年3月期)とトップクラス、海外売上高比率は90%超、全社員約8万人の半数以上が海外拠点で働くグローバル企業だ。離職率は1.31%(2018年)と長く働き続けられる組織風土もある。ところが中途採用では、B to Cで知名度が高い競合他社が選ばれるという課題を抱えていた。同社へ中途入社した人事部の中島 彰氏は、解決のカギが「面接の質」にあると考えた。「NAONA」活用の具体的なプロセスを聞いていく。(前編はこちら

NAONAを活用したミーティングの例。NAONAのマイクセンサー(手前)は非常に小型なのでミーティング参加者もその存在を気にせずに打ち合わせできる。(出所:村田製作所)

合否を決める“見極め”と入社意欲を高める“動機づけ”

――2017年8月に村田製作所に入社した後の業務は?

中島 彰氏(以下、敬称略):「応募者の気持ちが分かるだろう」と、人事部採用課で主に中途採用を担当しました。1日に5、6回は面接します。とにかく工数がかかるんですが、聞くことは毎回一緒だし合否の判定はアナログです。なので、もっと定量化できないかと考えていました。せっかく何度も面接して社内決裁を経て合格を出しても「もう他社に決まりました」という内定辞退が多く、それを何とかしたいという思いもありました。

――御社のような優良企業でも辞退が多いのですか。

中島:この会社はB to Bが本業なので、新卒から見てキラキラした印象じゃないのは仕方ないなと(笑)。ただ事業は面白いし、入ってみると皆すごい仕事をしているんですよ。新卒ならまだしも、中途採用でもそれがうまく伝わっていないと分かったので、面接を通して応募者をひきつけたいと考えていました。

――確かにもったいない。NAONAがリリースされたのが2019年6月ですね。これを面接で使ってみようと思ったきっかけは?

中島:NAONAを知ったのはカンヌ広告賞に応募するプロジェクトがきっかけでした。