――面接官を務めた社員の方の反応はどうでしたか?

中島:中途採用面接は採用したい部署の人、つまり技術系の社員が面接します。皆、好奇心旺盛なんですね。「何これ? めっちゃおもろい」「どんなことが分かるの?」と食いついてくれました(笑)。社内の新規事業だから応援したいというのもあって、スムーズに受け入れてもらえました。

――応募者の方の反応はどうでしたか。

中島:事前にていねいに説明していたから違和感なく受け入れてもらえたようです。その場で「これ、何に使われるんですか?」と聞かれたことはありますが、アテンドする社員が「こういう目的で使います。録音はしていません」と話したら納得してくれました。マイクセンサーを置きますが、白い四角い箱形なので、視界に入ってもあまり気にならないと思います。僕も模擬面接の時、最初は“何かあるな”と思ったけど、話し始めると意識から消えちゃいました。NAONAがあることで集中できなかったり話の内容が変わることは全くなかったです。

――前職で病院の事業譲渡を担当された時、150人の職員一人ひとりと面談して手応えを感じたと話されていましたが、それが今回の実証実験につながったんですね。

中島:確かにそうですね。自分の人事経験で1対1の力強さを実感したのが数字でも実証できました。NAONAのデータが正しいことが、自分の経験則とも一致しているからスッと納得できますね。

――1対1のコミュニケーションは価値があると分かっていても、それを見える化、数値化したところがエポックメーキングですね。一方で、これはできなかったという点はありますか?

中島:僕は応募者に面接結果のレポートを配信したかったんですが、そこまではできませんでした。新卒でも中途採用でも、合否にかかわらず面接結果のフィードバックってないでしょう? 面接官のコメントは見せられないけど、会話の長さ、回数、どちらがどれだけテンポよく話したか、双方の感情値の変化といったNAONAのデータは開示できると思ったんです。その結果がポジティブでもネガティブでも数値で可視化できているので。

――確かに。特に不採用だった場合は、何がダメだったのか分からないですよね。

中島:フィードバックをもらえれば応募者側にもメリットがありますよね。「自分はこうだったんだ」と分かれば改善できるし、コミュニケーションや営業トークなど仕事にも生かせます。それに、「そういうデータがもらえるなら受けてみようかな」と応募者が増えるかもしれない。でも残念ながら、そこまではできませんでした。今後の課題です。