新型コロナウイルス対策で在宅勤務など新たな働き方を模索する企業が急増している。カギとなるのがIT(情報技術)。それを担うIT人材には大きな期待と責任がついて回る。IT人材育成のため、SOMPOグループのIT企業、SOMPOシステムズは2017年に「スペシャリティ認定制度」を導入した。約1700人のITエンジニアが自ら学び、ITスキルを向上するよう促進。SOMPOグループのIT人材育成も支援している。

 この制度を立ち上げ、推進してきたキーパーソンがSOMPOシステムズの宮田寛子社長直属特命部長兼人材育成部長。コンサルティング会社でSOMPOシステムズのIT人材戦略提案に携わったのを機に同社へ転職した。

 2017年から独自の新入社員研修「Fast Path」にも取り組むなど、数々の育成施策を意欲的に推進している。宮田氏は「新型コロナは研修のオンライン化を加速する転機」と話し、「Fast Path」についても今年7月をめどに一定の成果を目指すという。今回は、社員が自ら学ぶカルチャーを根づかせつつある「スペシャリティ認定制度」について聞いた。

SOMPOシステムズ 社長直属特命部長兼人材育成部長
宮田寛子(みやた・ひろこ)氏
(出所:SOMPOシステムズ)

経営統合でIT人材の課題が明らかに

――今日はよろしくお願いします。宮田さんはコンサルタントとして戦略を提案する立場だったのが、クライアント企業に転職してそのプランを実行する側になったのですね。

宮田:はい。当社に転職したきっかけは、2010年に損保ジャパンと日本興亜損保が合併するIT統合プロジェクト時に、社員のITスキルが空洞化したことを懸念した当社からの依頼です。社員のスキルの可視化により、ITスキル空洞化の度合いや傾向を分析したうえで打ち手を考えることにしました。

 最初に取り組んだのがITスキルの可視化です。私はコンサルタントとして、2013年から1年かけて、当社のITエンジニアに必要なスキル項目を100項目抽出し、7段階のレベルで整理した「Skill Framework」を構築しました。これを当時のITエンジニア全員に適用したところ、保有するスキルの全体傾向が想定より低いことが数値で現れたのです。当社はユーザー系IT企業ですので、自社システムの細部について詳しい人はたくさんいるのですが、経営統合という「有事」に不可欠な、システムの全体像を俯瞰的して、計画的に実行し、リスク管理するといった能力が十分とは言えないという結果でした。