1.リラックスした雰囲気づくり
 部下が、上司に対して、悩みや本音を率直に話すことができるように、リラックスした雰囲気で行いましょう。上司が忙しそうな空気、義務感で仕方なく行っている印象を、部下に感じさせてはいけません。

2.個別面談は、部下が話す場です
 部下の自主性や自律を促すため、全体の面談時間のうち、部下が話すことに6~7割を充てましょう。決して、上司が一方的に説教してはいけません。部下の話を途中でさえぎったり、部下の意見を頭ごなしに否定したりするのは避けたいものです。

3.問いかけ&フィードバックを大切に
 個別面談は、上司の都合で、部下へ仕事の指示をしたり、“報連相”を求めたりする時間ではありません。上司は、主に問いかけとフィードバックを行うことで、部下が自分で考え、主体的に行動するきっかけをつくることが大切です。

4.ダメ出し一辺倒はNG
 フィードバックは、ねぎらい(部下に対する感謝の声がけ)-> 評価(上司の期待水準に対する仕事の仕上がり具合を伝える)-> 改善指導、の順で行います。改善指導だけの「ダメ出し」の場にしてはいけません。たとえ、部下の成長を願う親心からであっても、ダメ出しだけをしていると、部下は自信を失い、自分で考えずに、常に上司の指示を仰ぐようになります。

5.部下の将来をともに考える機会に
 多くのビジネスパーソンが実感する働きがいとは、仕事を通じて自身が成長することです。現在の業務相談だけでなく、部下のキャリア形成や能力開発の相談も取り入れていきましょう。

 先に挙げた本間氏の著書では、「いい1on1が行われている時、部下には上司と話をしているという感覚はないと思います。上司の言葉も自分の言葉のように感じられて、自分一人で考えているような錯覚に陥るのです」とも指摘されています。

 いかがでしょうか。特に、4.で挙げたフィードバックには3つの側面があります。みなさんが通常行っている、改善指導のための「育成(成長を高める)」に加えて、「評価(成果を高める)」「感謝(幸福感を高める)」という2つの側面もあります。感謝、評価、育成の順序で、この3つを隔たりなく行うように心がけていきましょう。

 次回は、個別面談を実施しているのに効果がない、止めたいと言われた場合の対処について考えます。

原田かおり(はらだ かおり) 日経BP 日経BP総研 ヒューマンキャピタルOnline編集長
原田かおり

出版社を経て、2000年 日経BP社入社。カスタム出版やオウンドメディアのプロデュースを数多く手掛ける。ゴールドクレジットカード会員誌『クオリテ』(東急カード)、Webマガジン『大人の心得帳』(NTT東日本フレッツ光/東急文化村)など編集長として企業機関誌やオウンドメディアの創刊・リニューアルを多数経験。2018年2月、「社内コミュニケーション改革セミナー」全体プロデュース・講演。2019年5月、「CHOsummit2019」全体プロデュース・講演、ヒューマンキャピタル2019「働きやすい組織と環境の新しいカタチパネルディスカッション」モデレーターなど務める。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。