アジア発のグローバルコンサルティング会社であるアビームコンサルティングが、ダイバーシティ推進に着手して3年余。現在はD&I(Diversity & Inclusion)のほかにSmart Work、Well-Being、Social Contributionという柱を確立し、社員と組織の価値向上を目指す。ダイバーシティ推進施策と人材戦略について、同社社長の岩澤俊典氏に話を聞いた。
(取材=大塚 葉:日経BP総合研究所 HR事業部 上席研究員、文=西尾英子)

育成制度充実と社外への発信で人材確保

――御社は、社員のモチベーションやエンゲージメント向上に力を入れておられます。人材マネジメントに関するお考えをお聞かせください。

岩澤社長(以下、敬称略):コンサルティング会社である我々にとって、人材は唯一無二の資産です。お客様との信頼関係も大切にし、当社がお客様の「リアルパートナー」になることを経営理念に掲げています。我々があたかもお客様企業の社員であるような意識を持って、その企業の目標達成に貢献するということです。

 お客様からすれば、目の前にいるコンサルタントを見てその背後にあるアビームコンサルティングという会社と約6100人の社員を想起します。つまり社員一人ひとりが会社の顔であり、会社を代表する存在なのです。このような意識を持ってもらうために、あらゆる機会を通じ、我々の文化や考え方などを社員に直接伝えるようにしています。

――『コンサルティング会社図鑑』 (2013年、日経BPコンサルティング発行)、『企業研究BOOK』シリーズ(2015~2020年、日経BPコンサルティング/日経BP発行)」など、業務内容や社員インタビューをまとめた書籍を制作・発行しています。こうして社内外に発信することで、リクルーティングやインナーブランディングに役立て、人材育成にも注力されています。

岩澤:以前から人材の採用や育成には注力しており、特に人材育成プログラムを充実させてきました。10年前に社長に就任した際にまず人事に伝えたのが、「当社のトレーニングを受けるだけでも入社する価値があるようなプログラムを作ってほしい」ということでした。当社には素晴らしい教育制度が整っていて、自ら成長できる機会を提供し、またそれを社外に発信していくことが優秀な人材確保につながると考えたのです。

アビームコンサルティング 代表取締役社長 岩澤俊典氏
1990年、東京大学農学部卒業。1997年、アビームコンサルティングに入社。2000年に執行役員に就任し、2007年にマネージングディレクターを兼任。 2008年より現職。