仮設クラウドオフィスを設置すれば孤独感なく働ける

――クラウド上の仮設オフィスというのは、どんなものですか。

田澤:私が今勧めているのは、WEB会議ツールをクラウドオフィスとして運用する方法です。今回は緊急事態ですので、すぐに使える簡易クラウドオフィスという意味で、「仮設」を付けています。ここにメンバーがずっとつないでおけば、同じ職場で働いている感覚で仕事ができます。例えば自宅で作業をしていても、WEB会議ツールにつないだスマートフォンを手元に置いておけば、上司やメンバーに気軽に話しかけることができます。これで「一人で作業していると孤独感を感じる」「仕事をさぼるのでは」といったテレワークによくある課題が解決できます。自宅で仕事していてWEB会議や打ち合わせをすると「家の中を見られたくない」という方も少なくありませんが、WEBツールによっては背景をオフィス写真に設定することもできます。私も今、出張先のホテルにいますが、東京オフィスの画像を背景にしています。

――営業や接客、販売など、テレワークには適さないといわれる職種もあります。

田澤:ネット通販がこれだけ普及している今、テクノロジーの進化によって営業や販売といった職種もテレワークが可能となっていくでしょう。以前から「テレワークができる人(仕事)はいいよね」という声はあります。ですが、全社員100人のうち50人がテレワークできて、その50人のおかげで社内の人口密度が下がり感染リスクは低くなれば、テレワークできない社員にもメリットがあります。会社全体のメリットや成長を考えずに、不公平だから在宅勤務はしないとなると、逆に自らの首を絞めることになりかねません。

能力に見合った評価と報酬で不公平感を解消

――テレワークで働き方の自由度が増すと、どのように評価を行っていくかが難しいと言われます。

田澤:「会社にいないから評価できない」という意見が多いのですが、それは今まで「会社にいること」を評価してきたからです。まず、その事実に向き合わなければなりません。「目の前にいないとマネジメントできない」というなら、業務内容や“報・連・相”コミュニケーションを見える化しましょう。今まで見えていなかったものを見える化するのはテレワークだけのためではなく、業務とその成果を正当に評価するためです。

――マネジメントの手法を見直すチャンスですね。そして正しい評価をきちんと報酬に反映する仕組みが必要となります。

田澤:これまでの日本企業では「成果+労働時間+人物評価」で評価するのが一般的でした。成果、労働時間、そして“部下の面倒見が良い”とか“ムードメーカー”だといった人物評価を足して判断していたわけです。「テレワークで働いていると、これらが見えにくくなって評価できない」と言われますが、そもそもこの計算式は正しいのでしょうか。

 欧米のように「時間の長さより仕事の成果」と主張する人もいますが、それは能力が高い人の意見です。実際にはそのようにできない人の方が多いでしょう。例えば、普通8時間かかる仕事を、1時間でできた人は残り7時間をだらだらと過ごし、できない人は残業して12時間かけてやる――成果だけで測るとどちらも同じ給与になります。能力が高い人はラッキーですが、12時間かかる人は時給に換算するとかなり安くなり、業務委託のような働き方になってしまいます。