――そうしたひずみを解決するにはどんな評価方法や賃金制度が必要ですか?

田澤:成果だけを見るのでなく、成果÷労働時間、つまり時間当たりの生産性で評価するのが一案です。時間当たりの生産性は「成果÷労働時間」で算出し、それに人物評価を加えます。つまり、(成果÷労働時間)+人物評価という計算式になります。

 例えば、時短勤務で子供を保育園に預けながら働いている女性社員で考えると分かりやすいかもしれません。限られた時間で、以前と同じ業務量をこなす生産性はとても高いですよね。それなのに作業時間が減るので、給与も下がる――これはおかしいと思いませんか? こま切れの時間でしか働けない人や、能力があっても時間が取れない人を、これからは時間当たりの生産性で評価していくべきです。

――働き方が変わっていく中でアウトプットをどう測るかがテレワークの次の課題ですね。

 “残業していたら給与が増えない、もしくは“減る”と分かれば、誰でも働く時間を短くしますから、「時間当たりの生産性」を給与に反映させることが最も大切です。この考え方から、弊社では「能力時給(時間当たりの生産性)×労働時間」に加えて、社員が選ぶ働き方に応じて
・出社手当
・フルタイム手当
・時間拘束手当
・フルウィーク手当
を加算する賃金制度を採用しています。

テレワークを全面的に活用しているテレワークマネジメント社の賃金制度の例。テレワークを含めた勤務形態それぞれに対して手当を支払う制度を採用している(出所:株式会社テレワークマネジメント)
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――なるほど、それならテレワークや在宅勤務の働き方に対する不公平感はなくなりますね。

田澤:少子高齢化で人口は減っていきますし、さらに朝から夜まで職場で働ける人はもっと減っていきます。ですから、新しい賃金制度が必要になってくるでしょう。こうした賃金制度や手当などの制度改革と運用は各企業の職場環境や要望を聞き、時代の流れ、テレワークの成熟度などに応じて、その都度、見直していく必要があります。