世界を揺るがせた新型コロナウイルス。5月25日には政府の緊急事態宣言が全国で解除され、約2カ月間にわたる「非日常」は多少、落ち着きを見せてきた。

 「企業には過去の取り組みを振り返りつつ、経営戦略に基づいた自社の『健康戦略』を考えてほしい」。このように提案するのは、iCAREの創業メンバーであり代表取締役CEO(最高経営責任者)の山田洋太氏だ。

山田 洋太(やまだ・ようた)。
株式会社iCARE代表取締役CEO。産業医、労働衛生コンサルタント。医学部卒業後、離島医療に従事。顕在化された病気を診るだけでなく、その人らしい生活、仕事、生き方そのものを理解しないと人の健康はつくれないことを知る。MBA在学中に並行して心療内科を学び、多くのメンタル不調者と関わる。厚生労働省が行う検討会にて産業医の立場から提言。同省VDT検診の見直し検討会委員としても従事。iCAREは「働くひとと組織の健康をつくる」ことを掲げ2011年に創業。同社が提供する健康労務分野のHRテックサービスである「Carely」は、290社以上が導入している。(写真提供:iCARE)

 山田氏は現役の産業医・労働衛生コンサルタント。自ら経営を担うiCAREは、企業の健康労務をサポートするHRテックサービス「Carely」を提供している。厚生労働省の「VDT健診見直し検討委員会」に委員として加わった経験もあり、健康、労務、ITを使った働き方、さらには企業経営という4軸の交点を知る、希少なヘルスケア専門家である。

 そのiCAREは5月19日、Carely契約ユーザーからの相談の傾向を踏まえて、企業の安全衛生委員会での検討資料を想定した「テレワーク時の企業における健康管理」という資料を公開した。
(注:労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者が働く事業所では産業医を選任し健康管理を行わせること、また安全衛生委員会を設置し健康や衛生に関する事項について意見を述べさせることが必要となる)

 感染拡大の第二波、第三波が懸念されるなか、テレワークを引き続き推進しようという企業も多い。山田氏は米国での調査結果を参照しつつ、テレワークで生産性が上がるかどうかは、業務内容によって変わると指摘。また、フルタイムでのテレワークは3カ月以上続くと健康障害が出やすいと注意を促す。

iCAREが公開した資料「テレワーク時の企業における健康管理」の表紙。国が進めてきたテレワーク制度の変遷と、テレワークのメリット・デメリットを、執筆者である山田CEOが産業医の知見を用いて解説。企業内の安全衛生委員会でそのまま利用できる資料としてまとめたという。資料のURLはhttps://www.carely.jp/library/telework-health/(出所:iCARE)