料理でチームビルディングを――そんなコンセプトの企業向けワークショップを提供しているベンチャー企業がある。創業4年目、最近はフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」で注目を浴びているコークッキングだ。料理とチームビルディングという“意外な食べ合わせ”の関係を、同社の「クリエイティブ・クッキング」事業を担う取締役 Co-Founderの伊作太一氏に聞いた。

 近年はフードロス問題に向けたコークッキングのシェアリングサービス、「TABETE」が産業界からの注目を集めており、2019年7月には食品卸大手の伊藤忠食品や複数名の個人投資家、ベンチャーキャピタルのNOWからの出資および追加投資を受けている。

 なぜ料理でチームビルディングなのか。この「クリエイティブ・クッキング」事業を担う、コークッキングの伊作太一氏は次のように語る。

 「料理を作ることは、人間にとって身近な行為。料理の中には、問題解決や創造性の発揮など、実にクリエイティブな要素が含まれています。これを企業に持ち込むことで、チームの活性化、創造性の発揮、ひいてはイノベーティブな組織への変革が期待できます」

 手持ちの材料を確認しながら、どんな料理を作るのかをプランニングする。足りない材料を調達し、複数人で作るのであれば役割分担もする。材料の状態によってはいつもの味付けを調整する必要もあれば、茹ですぎ・焼きすぎなどの失敗をリカバリーすることも求められる。「料理の工程一つをとってみても、実は問題発見と課題解決の連続。臨機応変な対応が欠かせません」(伊作氏)

企業文化を料理で表現

 では、どんな形で料理をチームビルディングに活用するのか。典型的なケースを紹介すると、企業研修の一環としてこのクリエイティブ・クッキングを導入し、ワークショップを実施する企業が多い。

 具体的な内容は企業のニーズに応じてカスタマイズするが、多くの場合、2つのパートに分けて行う。例えば「『自社の企業文化』を社員自らがそれぞれ考えて表現する」というテーマで開催する場合、前半のパートではコークッキングの伊作氏らファシリテーターのガイドに従って、参加者同士でグループを作り、それぞれのグループごとに自社の企業文化を言語化していく。

 このプロセスには伊作氏の専門分野である「パターン・ランゲージ」を適用する。パターン・ランゲージとは暗黙知を言語化し体系化するための手法だ。建築や都市計画分野を発祥とし、現在はシステム開発や業務改革などでも使われている。

 後半のパートでは、前半で言語化したキーワードに従って、そのキーワードを料理として表現する。コークッキングで使うのは多くの場合、餃子だ。餃子を作る理由は、「言語化されたコンセプトを料理として表現するのに最適な料理」(伊作氏)であるためだ。「形、味、食感のアレンジはもちろん、焼く、蒸すなどの調理方法、そして盛り付け方によって、無限のバリエーションがあります。餃子は大きな可能性を秘めた料理なのです」