退職者から企業への評価がWEB上に公開されるなど、「退職者の元職場への印象」が信頼性の高い情報として見られる昨今、退職者との関係性すら重要になっています。また、退職者と良好な関係を築ければ、再度自社に戻って働いてくれる可能性もあります。一度、一緒に仕事をしているため、これまでのスキルや経験を生かすことができ、入社後のギャップの心配もありません。いきなり転職者まで対象にすることに抵抗が大きい企業では、育児や介護などの理由で退職した方の「カムバック制度」を構築しているケースも多く見られますが、ほとんどの企業で形骸化してしまっています。

カムバック制度形骸化

 これは、企業として退職者との接点を継続して作れていないことが大きな要因です。求人が発生した際、OBやOGにそれを連絡する手段もなく、それまで継続的に自社の現状を知ってもらう機会もない状態では、戻って働こうという検討をしてもらうことも難しいでしょう。

 そこで同窓会のようなネットワークを構築し、その中で企業の近況について発信したり、求人情報を流したりするような取り組みが生まれています。退職しても良好な関係を築ければカムバック制度を活用して戻ってきてもらう、退職者からの紹介で自社の入社試験を受ける求職者が増えるなどの効果もあり、企業と人の新たな関係性の形として注目されています。

環境の変化に合わせて自社の課題解決手法も進化させるべき

 ここまでご紹介してきたことは、働き方改革や人手不足などの環境変化を背景に、人と企業の関係性の変化がもたらした課題を解決するための事例といえます。企業が変化に対応せず、今まで通りのやり方や価値観に固執すれば、選ばれない企業になっていくことはいうまでもありません。むしろこの変化を好機と捉えて、先進的な取り組みを始めた企業ほど得られる果実は大きいのです。

佐原 資寛(さはら もとひろ) EDGE株式会社 代表取締役社長
チーフエヴァンジェリスト
佐原 資寛

2008年横浜国立大学工学部在学中より、社内コミュニケーションプラットフォーム「エアリー」事業へ参画し、企業のダイバーシティ推進を支援するサービス「エアリーダイバーシティ」の立ち上げに従事。その後、マネージャーを経て2014年より事業部長を務める。
国内最大のテーマパークをはじめ、社内SNSを活用した従業員満足度向上をコンサルティング。新卒採用、新人育成、研修フォロー、従業員満足度向上、離職率低減、女性活躍推進、OB/OGのカムバックなど、各人事課題に対するソリューションとしての社内コミュニケーションプラットフォームの導入・支援実績は100社を超える。 2017年4月よりEDGE株式会社にて代表取締役社長を務め、“働き方改革”に関する講演実績多数。

●EDGE株式会社 オフィシャルサイト
http://www.edge-inc.co.jp/
●女性活躍推進のためのSNS「エアリーダイバーシティ」
https://diversity.airy.net/
●従業員満足度が劇的に向上する社内SNS「エアリー」
https://airy.net/
●内定者フォロー・新入社員研修SNS「エアリーフレッシャーズ」
https://fresher.jp/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。