リワークプログラムは終了までには最低でも半年という期間が必要ですが、終了した人の復職3年後の就労継続率は約7割と高水準です(グラフ)。一方、何もトレーニングを受けずに復帰した場合は2割程度しか仕事を続けていませんでした。

 「再休職者が多い」と困っている企業の人事の方々には、社員の再休職予防策の一つの選択肢としてリワークプログラムがあることを知っておいていただきたいのです。

(構成/ふくいひろえ)

リワークプログラムを利用した群(45人)と利用しなかった群(45人)で、復職後の就労継続率を比較しました。1000日後(3年弱)時点でプログラムを利用した群の就労率は、7割弱。一方、プログラム非利用群では2割以下でした。また、非利用群は利用群に比べて再休職のリスクが1.89倍と、約2倍に跳ね上がることも分かりました(出典:産業精神保健;20(4)、335-349,2012)

注目の『リワークプログラム』の全容が分かる一冊

 うつは自宅療養と服薬によって症状が回復します。でも、症状が消えて、通勤できる程度の回復では職場復帰には不十分です。なぜなら、休職しなければならなかった自分が持つ課題を克服するスキルを身に付けなければ、再び休職してしまう可能性が高いからです。

 本書ではプログラムを経て復職した元うつ患者と、リワークプログラムを考え出した医師が、元患者の体験談も交えながら、プログラムの内容とその効果を、資料も提示しながら分かりやすい言葉で紹介しています。

『職場復帰を支え、再休職を防ぐ! うつのリワークプログラム』
五十嵐 良雄 著 / 日経BP / 1,512円(税込) / 224ページ

五十嵐 良雄(いがらし・よしお) 精神科医・産業医 メディカルケア大手町院長
一般社団法人 東京リワーク研究所 所長
五十嵐 良雄

1976年北海道大学医学部卒業。秩父中央病院院長などを経て2003年にメディカルケア虎ノ門開設。2015年、うつからの復職を支援する「リワークプログラム」を始め、2018年春までに1400人がこのプログラムを利用して職場復帰。2012年の調査では3年後の就労継続率はおよそ7割に及ぶ。2008年、うつなどで休職する人の職場復職支援を行う全国の医療機関向けの「うつ病リワーク研究会(現、日本うつ病リワーク協会)」を発足し代表世話人(現、理事長)に就任。日本産業精神保健学会理事他。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。