近年、復職者が休職を繰り返す場合に、一見、うつ病のように見える同じようなうつ症状はあるけれど、その裏に別の病気(背景疾患)が隠れているケースが非常に増えています。うつ症状の背景疾患で特に多いのが「双極性II型障害」と「発達障害」です。

 そこで、連載第2回の今回は「双極性II型障害」についてお伝えします。

正しく診断することが難しい「双極性II型障害」

 「うつの症状」があるために「うつ病」と診断されてしまうけれども、実はその後ろに「双極性II型障害」が隠れているという場合、最大の難関となるのが、その患者を双極性II型障害であると正しく診断すること。というのも、この病気は診断がとても難しいからです。

 まずは、その特徴について説明していきましょう。

 双極性障害はかつて「躁(そう)・うつ病」と呼ばれていた病気で、(1)気分が高揚して活動が活発になる「躁状態」と、(2)憂うつな気分が続く「うつ状態」が交互にやってくる病気です。(1)と(2)を繰り返すわけです。

 現在では、両極端な症状が起こるという意味で「双極性障害」とも呼ばれます。

 双極性障害にはI型(いちがた)とII型(にがた)の2つのタイプがあります。

 双極性I型障害は、躁状態の時の程度が激しく、明らかにいき過ぎた行動があるため、周囲も気づきやすいという特徴があります。I型の場合は治療のために入院が必要ですが、症状が分かりやすいため診断は容易です。

軽く短い躁状態が特徴の双極性II型障害

 問題は、双極性II型障害です。

 こちらは、長いうつの症状が続いている間に、ごく短い期間、軽い躁(そう)状態があり、その後は再び、うつの症状が続くという病気です。

 躁状態がごく軽度で、I型のように激しい症状がなく、その期間も数日間程度とごく短いため、本人や周囲も「最近少し調子が良すぎる」程度にしか感じません。

 それが病気(=双極性II型障害)による軽い躁状態であるとは本人も周囲も気づかない。ここが厄介なところです。

 そして軽躁状態の後には多くは、うつ状態が現れ、このうつ状態は長く続きます。そのため、うつ病と診断されてしまい、「双極性II型障害」と正しく診断されないまま、それがずっと続いてしまうことが問題なのです。

 この双極性II型障害は、5年間で9割が再発するというデータもあるほど、再発率が高い病気でもあります。