休職を2度、3度、あるいはそれ以上、繰り返している場合は、双極性II型障害である可能性が高い。疑われる場合には、本人からだけでなく、上司や周りの社員、同僚から情報をもらうこともポイントになります。

 そして疑いがある場合は、検査機器を導入している医療機関で検査を受け、病気の鑑別をやり直してもらうよう、本人や主治医に働きかけることをお勧めします。

 さらにご本人に対しては、患者の教育のためにリワークプログラムを実施している医療機関に転院することを勧めてほしいと、私は考えています。その理由については後述するとして、まず、鑑別に有効な検査機器についてお話しします。

脳の血流量の計測で可能な補助鑑別「光トポグラフィ」検査

 病気の鑑別診断の補助材料として役立つ検査機器は「光トポグラフィ検査」です。

 これは、患者の頭に小さな端子を付け、ディスプレー上に表示される文字を読んでもらうなど、脳を働かせている間の、脳の血流の変化を測定する装置です。血流の変化のパターンによってうつの症状が「うつ病パターン」「双極性障害パターン」「統合失調症パターン」「健常パターン」のいずれかであるかが分かります。このパターンは健康な状態の人にも出ますので、この検査だけで病気を診断できるわけではなく、あくまでも補助診断としての検査です。ただし、その人の病気へのなりやすさを表しているのではないかとも考えられており、医師が詳細に患者さんに話を聞いていくと正確な診断ができますし、薬の選択も合理的にできるのです。

 メディカルケア虎ノ門では2014年から導入し、鑑別診断の補助材料として成果を上げています。休職を繰り返している患者が多い当院では、実に8割の人が「双極性II型障害」の可能性があるという結果が出ています。

 とはいえ、この検査は導入コストが高いことがネックとなり、現在、限られた医療機関でしか受けられない点が課題です。

光トポグラフィ検査は、頭に小さな端子を当て、ディスプレー上の文字を読んだあと、「あ」で始まるものの名前を思いつくまま言い続けるといった課題を行い、その間の脳の血流量(ヘモグロビン濃度)の変化を測定してグラフ化することで病気の特徴を見分けるというもの。血流量の波形変化パターンが病気によってそれぞれ違うことから、鑑別診断の補助材料として用いられています。