「世界一成長できる企業を目指す」とコーポレートサイトでメッセージを発信するメルカリ。同社は2018年の大規模採用で、従業員数が1800人と約2倍になった。今後は特にタレントマネジメントにも注力し、組織と個人双方の成長に取り組む。メルカリらしい人と組織のありかたとは、どのようなものか。同社執行役員CHROの木下達夫氏に話を聞いた。

――昨年まで採用にかなり力を入れていましたが、今年は人材開発にシフトしています。具体的な施策を教えてください。

木下達夫(以下、木下):2019年2月に「採用に強いメルカリから、個人の成長も加速するメルカリへ」という全社方針を発表しました。現在は特に、採用した人材が社内で力を発揮し成長できるよう、育成型組織への転換、内部から思い切った登用や抜擢が継続的に実現できる仕組み作りに力を入れています。

 5月には、メルカリの組織や人材に関する考え方をまとめた「Culture Doc(カルチャードック)」を社内でリリースしました。Culture Docには、当社の3つのバリュー(行動規範)である「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」とともに「Trust & Openness(信頼を前提にしたオープンな文化)」を重視することを明記し、さらに採用基準や育成方針、評価・報酬や福利厚生に関する当社の方針のガイドラインとして、今まで暗黙知としてやってきたことを明文化しました。

メルカリ 執行役員CHRO 木下達夫氏
1996年P&Gに入社し、人事部で採用とHRBPを担当。2001年GEに入社し、GEキャピタルの人事ディレクター、日本GE人事部長などを歴任後、マレーシアにて東南アジア諸国連合(ASEAN)人材・組織開発ディレクター、GEオイル&ガス(現:ベーカー・ヒューズ・GEカンパニー)のアジアパシフィック人事担当者となる。2018年より現職。(撮影:菊池くらげ)

――Culture Docはどこで見られるのですか。

木下:Culture Docはイントラネットに掲載し、All handsと呼ぶ全社会議で説明して社内で浸透、共有を図っています。またCulture Docは入社オリエンテーションでも紹介し、新人向けに当社のスタンスを説明するのにも活用しています。

 優秀な人材を外部から採用する可能性は今後もありますが、社内でポテンシャルの高い人材の成長を加速できる機会を増やしていきたいと考えています。「メルカリにいれば常にいろいろなことに挑戦できて、それが自分の成長につながっていく」と実感してもらうことが、当社で働く面白さになるのではないかと。それをCulture Docで明確にできたことが、大きな一歩だったと思います。