<会社側が準備すること>
①自社の【プロ】を目指すためにはどうすればいいのか、そのステップを示せるようにしておくこと。
 ゴールがイメージできなければ、適した目標を立てることはできません。ゴールとそこにたどり着くまでにどんなステップがあるのかが明確になっていることが、目標設定の大前提です。自分が設定した目標が、会社のステップに沿ったものでなければ意味がないからです。

②部下の目標設定や取り組みをサポートするために、上長に1on1ミーティングをするためのスキルを習得してもらうこと。
 部下自身が目標を設定するプロセスや、取り組みのプロセスにおいて、上長との1on1の対話は不可欠です。1on1ミーティングは、傾聴して承認をすることで、相手のモチベーションを上げたり、質問で気づきを与えるだけではなく、アドバイスやフィードバックで軌道修正をしたり、相談できる場を提供したり、進捗をフォローアップする役割も担っているのです。

 この取り組みにおける上長の役割は、2つです。

<上長の役割>
①日々の目標が本人の成長につながることをストーリーとして語ること。
 何をしたら成功するのかを理論立てて説明し、部下に納得感を持ってもらうことができれば、取り組みはよりスムーズになります。また、そのストーリーを上長と部下の間で共有していることで、同じイメージを持って進むことができます。

②1on1ミーティングで目標の設定、取り組み、目標のレベルアップを図るためにサポートをすること。
 目標を設定する段階でも、取り組んでいる最中でも、上長とのミーティングは重要な機能を果たします。取り組みの中で、チェックが入る場所、相談できる場所、アドバイスを受けられる場所として1on1ミーティングを組み込んでおくことで、部下は取り組みを継続しますし、行き詰まった時にも一人で抱え込まず、自然と“ホウレンソウ”をする習慣が身に付きます。

 どのような目標を立てればいいのか、目標に向かってどのような努力をすればいいのかを、社員自ら考えられる仕組みがあるかないか、その仕組みを作れるかどうかが、組織や社員一人ひとりの生産性の向上、そして会社の成長にダイレクトにつながります。その仕組みの有無が、結果に大きな差を生じさせるのです。

 次回は、「より生産性の高い仕事のやり方を追求する」についてお話ししたいと思います。

細川 馨(ほそかわ・かおる) ビジネスコーチ株式会社 代表取締役
細川 馨

 外資系生命保険会社に入社し、支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。
 2005年にビジネスコーチを設立。エグゼクティブコーチ育成のスクールを主宰。著書に『あなたの成果が爆発的に飛躍するできる仲間の集め方』(日経BP社)、『上司は社員と飯を食え』(日経BP社)、『「右腕」を育てる実践コーチング』(日本経済新聞出版社)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。