もう一つは、個々に合ったアプローチです。上司は部下をよく観察し、その部下に合ったコミュケーションを図ることが求められます。タイプ別のコミュニケーション方法は書籍やネット上にも数多く掲載されていますが、弊社ではコミュニケーションを取る時の「自己主張」と「感情表現」の度合いから、「現実派・社交派・友好派・理論派」の4つの行動傾向タイプに分類する方法を紹介しています。

4つの行動傾向タイプ
出典:『初めてリーダーとなる人のコーチング』(日経BP社)
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 ビジョンやミッションの共有にも、個々に合ったアプローチが必要です。「共有」「ズレをなくす」というと、会議や朝礼などで、みんなの前でするのが一番いいように思うかもしれませんが、本当に共有し、納得してもらうためには、それぞれに合った方法でアプローチしなければなりません。例えば、新規プロジェクトのキックオフミーティングを開いた時に、同じ話を聞いたはずなのに、やる気に満ちあふれ、すぐに取りかかる人と、あまり乗り気でない人がいるのはこのタイプの違いも一つの要因だと思います。結局は「やりたい」という気持ちが根底になければ、その取り組みも意欲も長続きしませんので、上司の方は面倒だと思わずに、個別アプローチにチャレンジしてもらいたいと思います。

 上司がコミュニケーションで意識するのは「部下の成長をサポートすること=部下に成功するための習慣を身につけてもらうこと」です。それが、組織の成果・成功につながり、部下の成功・成長につながります。そのことを意識したコミュニケーションこそが、<意味のある>コミュニケーションだと私は思っています。

 最終回は「職場を成長させるとは?」についてお話しします。

細川 馨(ほそかわ・かおる) ビジネスコーチ株式会社 代表取締役
細川 馨

 外資系生命保険会社に入社し、支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。
 2005年にビジネスコーチを設立。エグゼクティブコーチ育成のスクールを主宰。著書に『あなたの成果が爆発的に飛躍するできる仲間の集め方』(日経BP社)、『上司は社員と飯を食え』(日経BP社)、『「右腕」を育てる実践コーチング』(日本経済新聞出版社)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。