また、実際に接点を持った学生の印象を尋ねました。今年の就活生に対して「就業意識の低い学生が増えた」かどうかを尋ねると「そう思う」と回答した企業は約4割(37.7%)。「そう思わない」(30.7%)を上回りました。また「企業理解不足の学生が増えた」についても「そう思う」と感じる企業は4割超(45.8%)で、「そう思わない」(24.0%)を大きく上回りました。

 「努力しなくても内定は取れる、ここでなくても次がある、といった印象を受ける」「きちんと業界研究している学生ももちろんいるが、就職活動自体を甘くみている学生が増えたと感じる」など、売り手市場の影響による、学生の意識の低下を指摘する意見が目立ちます。また「キャリアアップを好まず、勤務時間・勤務地・休日などに重きを置いて企業を探している学生が増えている」と条件重視の企業選びに嘆く声も。

 こうした学生の意欲の低下が、先に見た「質の不満」につながっているのでしょう。

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 一方、3カ年で比較すると「就業意識の低い学生が増えた」「企業理解不足の学生が増えた」のいずれも、「そう思わない」の割合が、やや増加しています。インターンシップなどを通じて就業意識を高めたり、企業理解を深めたりする学生が増えていると感じる企業も少なくないようです。

 2021年卒採用も、企業の高い採用意欲は維持される見込みで、早期から学生との接点を持つ企業も多いことが予想されます。インターンシップなどを通じ、学生の就業意識の向上や成長を促進する機会を提供することが、ひいては自社の応募者、内定者の質の向上につながると言えるでしょう。

■調査概要

調査対象:全国の主要企業 13,506社
調査時期:2019年7月1日 ~ 9日
調査方法:インターネット調査法
回答社数:1,376社
調査機関:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

松本 あゆみ(まつもと あゆみ) 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 研究員
松本 あゆみ

ディスコ キャリタスリサーチでは、新卒採用マーケットを中心に就職・採用に関する調査・分析を実施。「キャリタス就活」の会員から「就職活動モニター」を組成し、学生の就職活動状況や内定率、志向などを定期的に調査するほか、新卒採用を行う企業を対象とした調査も実施、採用計画や充足率など採用活動状況などの分析を行っている。
筆者は、株式会社ディスコ入社後、採用アウトソーシング、就職情報サイトの学生向けプロモーション、採用コンサルティング部門などを経て、2015年より現職。

●株式会社ディスコ キャリタスリサーチのサイト
http://www.disc.co.jp/career_research/

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。