これからどちらへいくのか。人事に託された日本の未来

 今日本には、世界に出て堂々と戦える若い人材が育ってきています。ベンチャーや技術、科学の分野でも、そのポテンシャルは相当なものです。一方で、そのポテンシャルが生かせる社会の仕組みがあるのかというと、疑問があります。我々の目標は社員の自立です。自立とは何か。それは、才能なり意思を最大限に生かしてあげることです。働き方改革というのは、企業を成功させるためのハウツーであってはなりません。むしろ、それが、新しい時代を作る目的そのものだと思っています。

 企業は今こそ、若い人たちが将来を作るために投資すべきだと思います。企業が変わることが、若者たちの未来設計を変えることになります。未来設計が変われば、当然、教育も変わり、偏差値で順番に並ぶ教育から、意欲のある人たちを支える教育が可能となります。

 10代 20代で、何を学び、どういうキャリアを歩むのか。一人ひとりの個性をどう生かし、社会に貢献していくのか。

 その受け皿として企業が存在すること。そうなれば、冒頭にありました「自社を信頼できない」という社員からの根源的な疑問に答えることができるのではないでしょうか。

 現在は、先進国の中で周回遅れのように見える日本ですが、これからどちらへいくのかが問われていると思います。「長期的に見れば、世界が迎える少子高齢化の中、日本のようにならなければ」と、世界が思う国になること。そうすれば、高度成長期も一巡した新興国も日本を見る目が変わります。今は日本の社会自体が曲がり角。オリンピックから万博への5年間。日本の企業がどう変われるかが、30年、50年後の子供たちの未来につながっていきます。これこそが、働き方改革の原点なのです。