2019年5月29・30日の2日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)において、日経BPでは、「CHO Summit 2019」を開催した。働き方改革、ダイバーシティ、人手不足、健康経営、会社と、そこで働く人々との関係性が大きく変わってきた。それら諸問題は、今や経営戦略における最重要テーマであり、CHO(Chief Human Officer=最高人事責任者)という職責も注目されている。本サミットでは、人事にまつわる様々な課題とその解決策について、先進的な取り組みを実践する企業トップや有識者による講演を行った。その中からパネリストに日本板硝子 執行役の中島 豊氏、カゴメ 常務執行役員CHO 有沢正人氏を、モデレータに組織内サイレントマイノリティ 代表理事 須東朋広氏を迎え、「CHO2.0~2030年世界で戦えるために人事部門は何をすべきか~」と題してパネルディスカッションを行った。
(構成=MARU、写真=吉澤咲子)

CHOの役割と改革のセオリー

須東:まずお伺いしたいのですが、CHO/CHRO(最高人事責任者)のやるべきこと、具体的にどういう順番でやっていくのか、セオリーはありますか?

有沢:CHOは、人事のリーダーであると同時に経営者であるということを忘れてはいけないと思うんです。人事のリーダーとしてのスペシャリティと、経営者としてのゼネラリストとの2つのハイブリットというのが、この時代には必要とされます。また、改革への順番はありません。会社の価値、考え方、文化というものを理解したうえで、それに沿った形でやっていきます。カルチャーを変えた方がいいという時はロングタームで考えますが、トップの相談相手には今すぐになれます。

カゴメ 常務執行役員CHO 有沢正人氏

中島:CHROイコールHRBP(人事ビジネススパートナー)ではないというところが大事なところで、BPというのはビジネスの側の人なんですね。一方、CHROっていうのはファンクションの側です。BPはあくまでもビジネスの中、事業部に入っていって、そこの人的な問題を解決することをやる。CHROというのはそういう人たちを束ねていって、なおかつ通常の人事をやる。ビジネスとファンクションの知識、この2つを持っていなければなりません。

須東:改革をしていくにあたって、100日で小さな成功体験を出して、1年ではこう……というように、自分で目安にされていることはありますか?

有沢:僕の場合、目安にしているのは、6カ月間で会社の事業所を全世界回るということですね。何が現場で起きているか自分でまず理解するんです。そして、最初の3年間でドラスティックに変えていきます。6カ月でファクトを洗い出して、トップに「変えますか、変えませんか。変えるのであれば全権委任してください」と突き付けます。全権をもらって、スピード感を持って自分のチームを作って、職能、役員の評価など、変えやすいところからどんどん手をつけていくと、社員が「変わったな」と感じ始めます。