2019年5月29・30日の2日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)において、日経BPでは、「CHO Summit 2019」を開催した。働き方改革、ダイバーシティ、人手不足、健康経営、会社とそこで働く人々との関係性が大きく変わってきた。それら諸問題は、今や経営戦略における最重要テーマであり、CHO(Chief Human Officer=最高人事責任者)という職責も生まれてきた。本サミットでは、人事にまつわる様々な課題とその解決策について、先進的な取り組みを実践する企業トップや有識者による講演を行った。その中から日本生命保険 代表取締役社長清水博氏による「人財価値向上プロジェクト~多様な人材の多彩な活用の推進~」のセッションを振り返る。
(構成=岩辺みどり、撮影=吉澤咲子)

日本生命保険 代表取締役社長の清水博氏

1200万人のお客様を支える7万人の社員

 事業が多角化し、高度専門人材・グローバル人材の育成が急務になる中、事業が発展し続けるにはそれを支える“人”がすべてであると考えています。生命保険は、まさに人の信頼で成り立つもの。保険会社で一番大事なことは、保障責任を全うすることです。時には100年を超えてその保障責任を私たちは担いますが、私の代だけでなく、これからの後輩、さらに後輩へと、どんな状況でもお客様を支え続ける強固な基盤が不可欠です。それもすべて人が支えているのです。

 東日本大震災の時には、本部と連絡が取りづらいなかでも営業職員が自分で判断して行動し、被災したお客様を訪ね歩き、安否確認や必要手続などについてフェイス・トゥ・フェイスで活動しました。お客様が困っている時こそ役に立つ、という使命を全うできた一つの例でしょう。

人材育成に込める想い

 弊社は全国に1500以上の拠点を持ち、7万人の従業員を抱えています。そのうちの9割が女性。だからこそ、女性が輝いて働き続けられることが事業のカギを握ります。そして、専門知識やスキルを持ったグローバル人材を育成することも急務になっています。

 私の人材育成のモットーは、「良いところを伸ばして可能性を引き出し、そして花を咲かせる」ことです。一人ひとりが誇るべき“個”有の強みを持ち、生涯にわたり活躍するたくましい人財になってほしいと思っています。それを可能にするには、「本人の意識」以外に「育成者の意識(=課長層)」と「トップのコミットメント」の3つが不可欠なのです。特にそれぞれの人の個性に合わせて上司が本気で育てようとしなければ、花は咲きません。